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日々の進歩 [雑感]

職場で1.01の何乗という標語を掲げている人がいました。

その心は,日々1%進歩すれば,大きな進歩になるというものです。
確かにもっともな話です。

曽呂利新左エ門のコメの倍返しの様な話です。曽呂利の話は倍々ゲームで進めば,ネズミ算的に増えるのは何となくイメージでも分かりますが(それでも秀吉はだまされた),1.01とは殆ど1ですから,さほど増加しない様にも見えますが,指数計算をすると,1年365日で37.78倍,3年で53939倍,5年では7700万倍にもなります。10年20年では天文学的数字になります。

成長率の数字は小さくても,そこは指数(複利)の威力です。
これが,単利ですと,1年で4.65倍,5年で19.25倍にしか過ぎません。

この複利の効果を生かすには,わずかの進歩であってもそれをしっかりと続ける事です。継続によって,その効果は発揮されます。まさに「継続は力なり」です。

1%とは小さいように見えますが,増加率としてはかなり大きなものですし,上の結果から逆に言えば,1日に1%の増加(進歩)と言うのはトンデモナク大きなものだという事が分かります。

それとさらに,複利効果を計算通りに発揮するためには,元利合計がしっかりと増えていく必要があります。何かの進歩のような数字で表しにくいものであっても,それが確実なものである必要があります。3日間プラス1%成長でも,次の2日間マイナス1%成長では,むろん減りはしませんが,成長の速度はごくゆっくりしたものになります。そのような繰り返しを計算して見ると,365日で2.0178ほどで約2倍です。むしろ率の低い0.3%成長をコンスタントに続けた方は365日で2.984と,約3倍になります。

むろんマイナス成長が多ければ元本割れが生じます。継続は損失の連鎖にもなります。こんなバカな計算ですが,言える事は,プラスの成長はわずかであっても着実に続ける事とマイナスはなるべく避ける事です。当たり前の事なのですが,重要なのはその定量性です。上の比較例では,365日で2.0178と2.984の違いですが,730日では,両者の数字は更に開き,4.1115と8.9060で2倍以上の違いになります。日数が経てばその差は更に歴然としたものになります。
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EAST

Enriqueさん

計算上、長期間の複利効果は絶大です。
ただ理論上の話で現実には何事においても、成長率を維持するのは極めて困難。達成確率は複利効果が大きくなるのに反して低下していくでしょう。

リターンが大きくなればリスクも大きくなるのが一般的で、資産運用などの宣伝で複利効果がが強調されても、リスクが定量的に示されないのは片手落ちでしょうし、リターンが大きくリスクがないのはまず間違いなく詐欺でしょう。

自己研鑽で得られる成長の複利効果に対するリスクはわかりませんが、指数計算通りの達成は努力だけでは難しいこともあるかと思います。

ただ複利効果を認識して、努力を続けることは素晴らしいことだと思います。計算通りにいかなくても、着実な成長が継続されれば大きな効果が生まれることは確かです。
by EAST (2020-10-14 13:21) 

Enrique

EASTさん,
成長・上達具合は質的な話になりますが,複利効果を生かすには,進歩した状態を元手にして,更に進歩した状態を作り出す事でしょう。退歩しながらの前進ではやはり進歩は少ないので,ゆっくりでも進歩を確実なものにするのが重要かと思います。
by Enrique (2020-10-15 12:49) 

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