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寄宿舎生活について [雑感]

以前修道院について触れましたが,似て非なるものに寄宿舎があります。
普通は学寮とも呼ばれ,たいがいの大学などにあります。

かつては自治寮というものがあり,古い大学ではバンカラの気風があった様です。
幸か不幸か当方はその様な寮の経験はありませんが,相部屋というのは,寮生にとってのポイントになり,大丈夫な人は大丈夫なのでしょうが,ダメな人は耐えられません。相部屋にはメリット・デメリットあるわけですが,デメリットを避けるために現在は個室というところが多いのでしょう。

当方が見てきたUSのとある州立大学でも広くて個別にバストイレはついているものの,2名相部屋でした。単なる宿泊施設ではなく,例えば留学生にはLanguage Exchangeの教育効果を狙っているようです。

寮というと,規律が厳しく上下関係を叩き込まれるイメージがあり,その様な寮も多いのでしょうが,古い大学のバンカラな自治寮は,生活面全てが自主的にむしろ民主的な運営がなされたようで,ひとくくりにはできません。有名人を多数輩出している学寮もあります。イギリスの有名私立校は小学校から全寮制です。寮生活というものが人格形成に独特な役割を果たすことは確かなのでしょう。

1970年代以降,文部省から大学などの古い寮は学生運動のアジト的な役割を果たしたと見なされ,学生の自治運営から大学主導の運営へと制度改革され,それまでの人格形成の寮から,学生アパートへと変貌を遂げました。

女子寮の場合は男子寮ほどでも無いのかなと思う訳ですが,古い大学の女子寮に入っていた姉が後年述懐していました。入寮した日,朝の日課という事で朝日新聞の天声人語を英訳して先輩に提出する様求められたとのことでした。「とんでもないところに入った」と後悔している暇もなく,必死にやって提出したそうですが,どうも1日か1週間かのごく短期間だけだったらしく,新入生へ伝統的洗礼だったようです。姉はその後1年ほどで寮を出ました。親からは「入っていれば安上がりで良いのに」と言われていましたが。私よりもずっと体も効き社交性のある姉でもその環境にはなじめなかったようです。

幸か不幸か,当方はその様な上下関係の厳しい寮や運動部の経験はありません。昔なら軍隊だったでしょう。企業勤めがそれに類した経験だったかもしれませんが,10年居ても余り慣れないまま退職した感があります。それらを経験してそれが普通になった人にとっては,多少の厳しいことや理不尽なことは,あまり苦にならずに日々生活できるということなのでしょう。
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