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曲の数え方 [雑感]

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曲の数え方は結構曖昧だと思います。

 私のiPadの楽譜ライブラリの一部
例えば,「ボクはバッハを1曲弾いた。」と言っている場合,BWV1000のフーガなら単独の扱いなので,1曲と見ても良いのでしょうが,BWV998のフーガならば,プレリュード,フーガとアレグロの内の1曲ですから,果たして1曲と数えていいものかとなります。1/3曲か?と言うことになります。「BWV998のフーガ」を1曲と数えるかどうかです。厄介なのはBWV1000は単独のフーガと言いましたが,リュート曲としてはそうであっても,ヴァイオリンソナタ第1番BWV1001のフーガと同じ曲です。バッハ自身が編曲したものです。

要は,組曲などを個別に数えるのかセットで捉えるのかです。例えばリュート組曲第1番BWV996ならば,プレリュード(パッサジオ),アルマンド,クーラント,サラバンド,ブーレ,ジーグの6曲から構成されていますが,これをセットで1曲と数えるかです。

個別にバラバラに捉えられている嫌いはあります。本来組曲は,コース料理の様なもので,セットで弾かれるべきものでしょうが,「昼間っからコース料理食ってられないぞ」という場合には,もちろん単品料理でも構わないわけですし,三つ揃いのスーツを上着だけ着ても,別に余程気の張った場所以外なら別に怒られもしないでしょう。

料理や服装に例えましたが,組曲の場合は,各国発祥の舞曲などをセットにしています。プレリュードは無国籍の前菜だろうと思いますが,アルマンドは文字どおりドイツ風ですし,クーラントはもとはフランス風,サラバンドは「スペインのフォリア」が元祖ですし,ブーレはフランス,ジーグはイギリスなどとなります。ここではイタリア風は入っていませんが,シシリアーノやタランテラならイタリア発祥です。

アマチュアが1曲,2曲取り組むならばいざ知らずですが,プロがまともなプログラムを組む際には,組曲はセットで演奏するというのは随分前から常識になっているでしょう。

ヴァイオリンパルティータ第1番の全曲及び,リュート組曲第2番のジーグに付くドーブルに至っては,これはドーブル単独で弾くと言うとはありえないと思いますが(前の曲の変奏ですから),かつてはこれも1曲として単独で弾かれていた記憶はあります。

公認的?に単独で取り上げられることが多いのが,バッハのシャコンヌでしょう。シャコンヌは舞曲の一種ですが,ヴァイオリンパルティータ第2番BVW1004番の終曲が固有名詞化しています。この曲は長いからか,単独でも一曲と数えられる様です。 練習曲では,単独の作品番号でセットになっているのが普通です。
ソルのOp.6やOp.29を全曲やりました。と言う人は案外少ないのでは無いでしょうか。練習曲の場合はバラして1曲でしょう。全曲というと,1冊ということになるのでしょうか。
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