SSブログ

どこから安全? [雑感]

隠し持っていたガイガーカウンターを出してみました。

電源を入れると,砂時計が出てゼロです。
IMGP0123.JPG

一分経つと,マトモな表示になるはずですが,
IMGP0124.JPG
最大値の500μSv/hを表示します。AudioスイッチをOnにしますと,大きな音が出てびっくりします。

総量表示にしてもカウントアップしません。壊れています。心臓部のガイガー管がやられているのでしょう。
今の時期,修理がきくのかどうかもあやしいものです。もともとこの機種は比較的強い環境下での測定用の器械(0.01~500μSv/h)で,弱い自然バックグランド程度の測定や,食べ物の測定などは出来ないようですので,アキラメルことにします。

以下5月に書いて寝かせてあった記事を上げます。

放射線被曝の許容量ははっきりしないようですが,一般人の年間1ミリシーベルトは,自然放射線が年間2.4ミリシーベルト程度あること考慮すれば,十分安全を見込んだ基準だと思われます。作業員が5年で100ミリシーベルト(事故原発の作業ではこれが250ミリシーベルトに引き上げられました。さらにそれも越えてしまった人も多数いるとか?)だそうですから,少なくとの年間1ミリから20ミリもしくは50ミリまではグレーゾーンということになります。「どこから危険なのかはっきり示せ」という意見もあるでしょうが,この基準を見るだけでも,はっきりと示せないことが分かります。

放射線のカラダへの影響については,

(1)どんなに微少でもDNAを損傷する確率はあるので少ない方が良い
(2)ある一定値(しきい値)から急に影響が出る
(3)ある値までは体に良い。

という3つの考え方があるそうです。先日一般紙にも出ていました。それぞれの説には何らかの根拠があるようですが,(2)と(3)は危険と安全の境目の値がはっきりしないようです。それが分からない以上,なるべく少なくしたほうが良いという(1)が標準的な考え方で,一般にも支持されるでしょう。(3)の説は放射線に限らず,体に悪いものも少しであればむしろ体に良いという考え方ですが,あまり主流の考え方ではないようで,この説を関係の専門家が取り上げるのは自殺行為になりかねません。

(1)の考え方に従うと,浴びた総量が重要ということになります。不謹慎なたとえ話をすれば,宝くじと同じということです。宝くじに当たる確率は買わなければゼロですが,1枚でも買えば当たる確率はそれなりにあります。一度に100枚買っても,1枚づつ100回買い続けても当たる確率は変わりません。対象期間内に買った枚数(積算の線量)が当たりやすさ(健康被害の出やすさ)になる訳です。危険度が積算線量に比例しているという考え方なのですね。

確率事象である限り,絶対大丈夫とは言い切れないのですが,沢山のデータをとればある程度確からしい値は出ます。何ぶん人体実験は出来ませんから,広島・長崎を最大規模とする過去の事故の追跡調査や動物実験との組み合わせて考えるようです。我々の周りは幾多の発ガン性物質に取り囲まれています。何か一つの要因を調べようとしても,背景の他の要因も無視出来ません。放射線は微量でも検出しやすい量ですから,そちらがはっきりと検出出来ても健康の影響の方ははっきりしないので,いろいろな説が出てくるのでしょう。

低線量の被ばくに関しては,(1)の一番危ないと見る説で考えるのが妥当でしょう。(2)や(3)の説でいけば一定量以下ならば全く問題ないことになります。その一定量は幾らくらいなのでしょうか?放射線影響協会の見解では一回の被ばく量で健康に影響のない量は100ミリシーベルトとの事です。これは一般人の基準の年間積算線量の1ミリシーベルトの100倍を短時間で受けるということになり,かなり大きく感じます。比例的に危険度が上がるこの考え方ではこの量を一旦受けてしまえば,その後はもう浴びてはいけないことになります。ガンなどの発症の危険性はどんどん増えて行くということになります。

一方(2)や(3)の説では,1回の被ばくで影響なければ,何回被ばくしても大丈夫という考え方のようです。ぜんぜん大丈夫と主張する専門家は,こちらの説をとっているのでしょう。正しい数値が前提なのは当然ですが,同じ数値を使ってもどの説に基づいているのかを明らかにした上で議論しないと水かけ論になってしまします。

かなりの量の放射線を浴びて,がんや白血病で早く亡くなった人,そこそこの量受けながらも平均よりも長生きしている人もいます。キュリー夫人は放射性のラジウムの発見で有名ですが,現在からすれば常識はずれの放射線を浴びたようで,66歳で白血病で亡くなりました。しかしどの時点での被ばくが発病に影響したのかはっきりとはしないようです。やはり放射性物質の研究者だった夫人の長女イレーヌも白血病で58歳で死去しましたが,アメリカに渡った(キュリー夫人伝を書いた)次女エーブは102歳までの長寿を全うしたそうです。一時期影響下にあっても,それから逃れれば全く影響のないようにも見えます。

現在の基準は,わずかな量でも影響があると言う(1)の説に基づいているので,基準を満たしている限り問題ないでしょう。しかし絶対に安全か?と言われたら,逆にそうは言い切れないのですね。宝くじを1枚でも買ったら,1等が当たる確率はゼロではありません。宝くじならハッピーですが,こちらは貧乏くじです。安全サイドに見るということはわずかの危険性も考慮するということですから,逆に「絶対安全」とは言えなくなってしまうわけです。低線量では,他にある様々な健康リスク以下の小さなものとは言っても,余計な健康リスクはひとつでも減らしたいという指向からすれば気にはなるわけです。

放射性物質に限らず,様々な化学物質にもとり囲まれている現代人ですが,寿命は延びています。100ミリシーベルトを大幅に上回るような放射線量や基準値を大幅に超える化学物質でなければ,むしろタバコはもちろんのこと,自然の細菌やウィルスよりも致死率は低いと見るべきでしょう。余計な放射線は浴びない方が良いに決まっていますが,過度の恐怖感はむしろそれだけで健康を害してしまいます。正しくこわがることが必要です。

nice!(5)  コメント(2) 
共通テーマ:音楽

nice! 5

コメント 2

REIKO

別に「隠し持つ」こともないと思うんですけど。(笑)
堂々と晒す(爆)のもトレンド?
ガイガーカウンターって、そんなに安いものではないと思うんですが、壊れやすいんでしょうかね?
キュリー夫人の頃は、今の常識では信じられないくらい、放射線に対して無防備のまま実験していたようです。
正しくこわがる・・・ですか、そうですね、そのためには正しい情報&正しい勉強が必要ですね。
(それが難しい・・・)
by REIKO (2011-07-23 08:51) 

Enrique

REIKOさん,コメント有難うございます。
こういう機器は隠し持っていないと,危険人物とみなされかねません(笑)。幸か不幸か数年で壊れていましたけれども。
グループにはメールしておきました。
by Enrique (2011-07-23 11:07) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。