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フーガ形式(1) [音楽理論]

「実践的楽式論」を書いたとき,ソナタ形式まででストップし,フーガ形式を書かなかった。本人のソナタ形式理解が目的だったので,ペンディングにしていたが,これを今回から補足する。

曲の演奏,もちろん暗譜のためには,構造を理解するのが有用である。もちろん理屈で理解しなくても,鋭い感覚で直感的に把握できる人はいるだろうが,ちょうど第二言語として語学を学ぶ者に文法が重要であるのと同じで,楽曲の構造を理解すれば,曲の理解はより容易かつ明確になるだろう。

特にフーガ形式は複雑だ。技巧を凝らして作曲されたものを,技巧を全く知らずに直感的に理解するのは無理があると思われる。なにも音楽の勉強は,本にかじりついたり,講義を聞いてやるものではない。鍵盤をやる人ならば,小さいときからソナチネから親しんでソナタ形式を知らず知らずのうちに身につけるだろうし,フーガはバッハのインヴェンションからシンフォニア,平均律と進んでいくうちに,教材を通して,それこそ実践的に理解される。

しかし,ギターの場合,自分もそうだが技術的に上達してくると,一足飛びに,例えばバッハのプレリュード・フーガ・アレグロ,BWV1000の単独のフーガ,BWV997の組曲のフーガなどをやる。そこに至る準備期間が余り無い。サンスやナルバエス,ロンカリなどはそれに当たるのだろうが,やはり曲の量的には少ないと思うし,そこからバッハへは段差があると思う。鍵盤では,インヴェンションのさらに準備としてプレ・インヴェションやアンナ・マグダレーナの音楽帳などがあるというのは以前にも触れた通り。曲に取り組むに当たって,楽式構造を知っているのと,知らないで感覚的に取り組むのでは,色んな意味で仕上がりが異なってくるはずだ。

まえおきが長くなってしまった。次回から,「楽式論」のフーガ形式本文に入ることにする。(つづく)

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