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暗譜に関して(過去の事例1-3) [演奏技術]

ひきつづき,メモに基づきその時点での反省と対策を述べる。

直前で色々変えない: 定着不足。今までの練習と新しい方法とが混乱する。大きな変更は少なくとも1ヶ月前位に済ますべき。

以下に暗譜の方法を重複かえりみず列挙する。
A.楽譜をそのまま覚える。暗譜用の楽譜は一つにし,視覚情報として記憶する(懸案事項)。
B.曲の構造を覚える。完全に覚えるよりずっと簡単。譜読みの段階で覚えてしまう。
C.メロディーを覚え,歌えるようにする。歌えなければ,ギターを持たないで練習する。譜読みの段階から歌って演奏する。
D.コード進行を覚える(懸案事項)。コードの理論を理解すれば楽?
E.指板上の手の形で(視覚的に)覚える。かつ,次の手の形に自然(エネルギーの低い方向)に向かうようにする。これは演奏技術面でも重要。
F.体もしくは手に(肉体的に)覚えこませる。いったい何回くらい弾けば覚えるのだろうか?
G.その他あらゆる方法を記憶の為に使う。但し逆効果に注意。「ありがとう」が「クロコダイル」にならないよう。

Aが出来ていれば,Bは必要ないが,Bの方が情報は集約されており,容易かつ有用。Aの可否によらず,Bは重視すべきである。
Cはかなり重要。耳から入る人はこれとE・Fを組み合わせているのであろう。楽譜の情報は無くても,手の形という視覚情報を含んでおり有効であろう。これにBやDも複合されればかなり強い。
Dは出来れば良いが懸案事項である。これが出来れば,他の記憶が全部飛んでも即興でカバー出来る。基礎理論くらい知っておいて損はないだろう。
E,私の場合見ると忘れるので練習時から良く見るしか無い。良く見ても他の記憶が飛ばないよう注意しないといけない。
Fの体の記憶にかなり頼っているのが問題である。いわば勘で弾いている。独学時代多くの譜面を追っかけたせいか,譜面―>音という回路が手の形の情報を介さずに出来上がったのだろう。耳から入った人が,譜面を見ても読まず,耳の音を頼りに弾いてしまうというのと,ある1つの感覚に頼る点では同じである。

それまでは暗譜方法を意識したことが余り無かったが,やはり失敗して気づくものだ。それまでやってきていない方法を1つでも2つでも追加できれば,良くなるものと思う。

それまでの経験からは,
上手くいった場合の記憶法: 曲の構造が分かりやすければBは意識しなくても当然頭に入っている(だから変奏曲は覚えやすい)。これと,CとF。覚え難いところは少しEも入っている。Cで歌っていれば当然止り難い。
上手くいかなかった場合の記憶法: Bが頭に入ってない.Cも怪しく,Fだけに頼っている。テープ録音の様にかなり前まで戻らないと再生できない状態になっている。特に単純な繰り返しの無いBachのフーガなどでは,曲を分析し適切なブロックに分けて記憶する必要がある。いわば,アナリーゼが暗譜においても重要であろう。和声もしくは対位法を勉強している人は当然強いだろう(自己流でもそれなりに分割できれば有効だったろうが,ただなんとなく弾いていた)。

AからFのうち最低2つが完全でないと,止る事故は防ぎ得ない。Bは細かい部分の情報は無いから,これを含む2つではあぶない。従ってこれら3つ以上を目標とする。音が変わっても,手の形を覚えることに暗譜の重要なウェイトがあるとするならば,あるプロの方が紹介しておられた,4~5度音を下げた極端にゆるい弦のギターを用いた手の形の記憶に特化した暗譜法もあるだろう。

B,C,Eを目標とするが,AとDも出来ないか常に考えたい。
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