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アランフェス2楽章(難所2) [演奏技術]

やはりオケのテュッティに渡す,超高音ラスゲアードである。
2楽章後半の最大の山場であろう。
2楽章難所2.jpg
昔,ギター誌にはよく名曲の難所特集があったものだが,どこかで取り上げられていたかもしれない。

J.イベールのフルートとの「間奏曲」でも,ギター独奏からフルートの走句に渡す,やや弾きにくいラスゲアードがあるが,その比ではない。何といっても,超ハイポジションでのセーハなため,左手がしっかり押えられない。やはり,ここもジョンは長年オクターブ下げて演奏していたが,最近では譜面どおり演奏している。
ここの部分の最大の課題は6弦をミュートするかどうかである。ベース音としては不適切なもので,技術的に可能ならばミュートしなければならないだろう。ジョンは6弦にp指を置いてきちんとミュートしている。やってみると右手の自由が利かず,速くかき鳴らせない。

他の奏者を見てみると,
山下さん:ミュートしていない。6弦も盛大にゆれている。
パコ・デ・ルシア:ミュートしてないようだ。
イエペス:よくわからないが,多分していない。
ぺぺ・ロメロ:していない。
村治さん:ミュートしてない。
デニス・アザバジック:ミュートしてない。

ジョン以外は巨匠も若手もミュートしていないようだ...と思いきや,
ブリームはしっかりミュートしている!しかも他の部分もほぼ楽譜どおり弾いているのであるから,若手よりも譜面に忠実。しかし,あれ?!拍に入っていない!

結局,YouTubeで上にあげた方々の演奏を見る限り,この部分を楽譜どおり完璧に弾いているのはジョンだけということになる。長年,オクターブ下げて弾いていたのは,この辺の技術的事情もあるのではないかと思われる。

まあ,6弦開放弦のE音は和音の中にも含まれており,特に非和声音というわけでもないので,オケに負けない迫力を出すには,6弦ミュートせず,右手の自由を生かしたほうが得策という考えにもなろう。

また,ここに限らずだが,アランフェスのラスゲアードはつめの磨耗が激しく,部分的に薄くなってしまうので,生身のつめでは多数回練習できない。

P.S. やっと,サムネイルが入れられるようになった。
アランフェス表紙.jpg
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