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ポーランド訪問(つづき) [旅行]

08年9月のワルシャワ訪問記を記す。

05年9月の訪問時は天候が良く,日本の服装そのまま半そでで通した。初秋の東ヨーロッパを満喫できたのだが,今回は何だ。降らなかったのは初日くらいで,連日しぐれ模様。秋を通り越して,冬の様子。地元の人たちは厚いコートやアノラックを着込んでいる。9月半ばだというのに,気温10度以下。かろうじて夏の上着と妻へのみやげに買ったマフラーで寒さをしのいだ。学会会期中に提出すべき論文を寝ずに書いている(時差で寝られない)のだが,MS-Officeのデータ自壊にみまわれ,間に合わない。寒さに耐えて訪ねたショパン博物館は,工事中でまたぞろ閉館中。いったいいつ開くんだろう。

ショパンのピアノ演奏会場.jpgせっかくの出張,せめてもの自分へのみやげのため,初めて学会主催のツアーに参加した。ワルシャワ市内のはずれ(かどうか分からないがバスで15分・20分走った)の,なんでも戦災で唯一焼け残ったという,離宮のようなところでのショパン・コンサートであった(後注: Palac Myslewickiだった)。

1900年代初頭に作られたスタインウェイの白いピアノ。もちろん,ショパンが実際に弾いたものではなく,以降のものであるが,雰囲気は大変良い。30,40人も入ればぎっしりの部屋。ピアニストのすぐ後ろで聞いた。

曲目は幻想即興曲から始まって,ノクターンの何番だか,宇宙的な響き。演奏者は日本のコンクールでも入賞した若手。休憩中,白ワインをいただきながらドラクロアの絵画(複製)などが掛けられた,他の部屋の見学。


夕方7:00学会会場の大学前からコンサート会場までバスで移動し,帰りは各ホテルまで送ってくれるサービスである。世話係りに投宿のホテル名を告げる。私は郊外の安い宿に投宿していたので,その名前を告げたが,絶句されてしまい,ちょっと無理とのことだったので,あきらめて自分で帰った。トラムとバスは共通のチケットで9ズォッティ(400円ほど)で1日乗り放題なので結構便利だが,変なところで降りてしまうとタクシーが捕まらず寒い思いをしないといけない。

しかし,このツアーが相手にしているような市内の一般的なホテルの(値段の)高さは異常である。いつもの事ながら,余裕無く1ヶ月ほど前の自前でのホテル予約である。今回はチケット手配はカード会社に預けたので楽だったが,平均100ユーロあまり(それでも優に出張費用を超えている)でネット予約できたと思っていた会場近くの歴史的ホテルが向こうからキャンセルされ,代わりにホリデイ・インがあてがわれていた。これが200ユーロほど。ホリデイ・インが高級ホテルなのも不思議だが,その異常な値段は何だ?何にもないアメリカンな朝食は別料金で日本円3000円以上。1泊のみで退散したのはいうまでもない。よその国の人は知らないが,学会参加者は金持ちなわけではない。アメリカの学会ではマリオットなどでも学会レートで普段の半額以下で泊まれる。

ワルシャワ市内の大きなCD店にもギター曲はほとんどない。やむなくダウランドのリュート全集を購入した。それとブレハッチのショパン3枚組みを家族の土産に。CDの製造国を見てもドイツ製などヨーロッパ製が多い。CDに限らず,食料品などポーランド製は安いが,他ヨーロッパ製は高い。ポーランド製を選んで買うのは言うまでもないが,粗悪品をつかむこともある。結局一度も使えず壊れたワイン抜きなどはその例である。高い高いホテルの対応はすばらしいが,他一般の窓口業務や個人店の対応はかつての日本の国鉄的雰囲気が残る。

訪問直後,金融危機に見舞われたはずだが,当時ユーロも170円ほどにもなっており,ホテルに限らず物価がかなり高い気がした。ポーランドのユーロ参加はまだで,ズォッティを使っているが,ユーロに連動しているのか,前回34円ほどだったものが45円くらいになっている。ズォッティ・ベースでの物価も上昇しているから,前回よりも5割増し位の高物価。学会参加者の多くを占めるユーロ圏の人たちは通貨が連動しているから大丈夫なのか,それとももともとお金持ちなのか,悠然と市内の高いホテルに投宿している。
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