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あがりの克服について(2) [メンタル]

暗譜が余り苦にならないタイプの人がいる。音を指板上で拾っていくタイプの人。
いわば左手の形,タブ譜を覚えているタイプの人で案外多いのではないかと思う。
私は独学で指板を見ないで弾く癖がついてしまった。きちんと確認しなければと思うのだが,夢中になると見ていない。だからポジション・マークがあるとかえって混乱してしまう。

独学で始めたころ,いくつか左手の押さえるイメージで暗譜して弾けるギター曲が増えてきたが,何か応用の利かない練習のような気がしてきて,手当たり次第にオケの曲,ピアノの曲,知っている曲,知らない曲を沢山弾いた。そのおかげか,割合譜面には強くなった。楽譜を見て弾くのが習慣になった結果,暗譜には弱くなってしまった。譜面をイメージ記憶できればよいのだろうが,それができない。大体「この辺がこんな譜ズラ」程度にしか覚えられない。結果として,譜面イメージと指板イメージ,どちらも中途半端なのである。

譜面イメージと指板イメージ,いずれかでも完全ならばよいのだろう。しかし,後者だけの場合は右手の弾弦イメージが不足するのではないか?と思う。もちろん,双方完全なら最強であろうが,指板イメージにプラスして,右手の弾弦イメージが完全ならば,譜面イメージはなくても良い気はする。
右手の実現イメージを確かめるためには,開放弦での右手だけの練習が有効だと思うが,これはピアノの指練習で嫌われる,「ハノン」よりつらい。あちらは機械的とは言え,まだ調性がある。また,曲を仕上げる過程でも左右別々の練習,これも左右まともな音が出るわけだから,楽である。

でたらめな開放弦の音よりも,最近見かけた「右手練習器」があれば,どこでも右手練習が出来て良いかもしれない。アランフェスなどに取り組んで痛感することだが,早いスケールなどは左手もさることながら,右手の運指をきちんと決め,これを覚えこませないと弾けない。

もちろん,譜面も指板も離れて,
(1)メロディが歌える。
(2)和声進行を覚えている。
と言った,音楽の基本が重要であることはもちろんである。

これら,少し整理が必要だが,乏しい経験に照らしても,割合うまくいった曲は,上の要素のどれかががうまくいっていたのだろう。

随分前のことで,記憶が確かならばだが,諏訪内晶子さんがTVで暗譜演奏のことについて聞かれて,
(1)譜面
(2)メロディ
(3)手のメモリ

を組み合わせて(和声進行も入っていたかもしれない),暗譜していると話しておられた。
演奏中どれかの要素が飛んでも,他の要素でバックアップできるということである。
どれも飛んでしまった最悪の場合では,「作曲者さんごめんなさい」でちょっと変えて弾いてしまったこともあったとのこと。ひとかどの演奏者は簡単な作曲くらい出来る音楽的基礎が必要ということであろう。
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