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野菜と蔬菜とチョウと [雑感]

本来は「野の菜」の事を「野菜」と言ったもので,今の言葉で言う山菜の事を指していたようです。

百人一首にも,「〜若菜摘む」という歌詞が見えますが,これも畑で摘むのではなく野の若菜でしょう。

では,今でいう栽培種の野菜の事をかつてはなんて言ったかというと,蔬菜(そさい)です。当方の祖母なども「蔬菜」と言っていた気がします。肥料の袋だかに「蔬菜何号」とか書いてあった記憶があります。


現在我々が口にする野菜(本来の意味では蔬菜)は,殆どが海外から入ったものです。
レタスやトマトは言うに及ばず,大根にキャベツに,ナス,人参,じゃがいも,たまねぎ,その他みなそうです。

如何にも和風に見える紫蘇だって,中国から入ったといわれます。日本古来からあったいわゆる野菜としては,春の七草にあるもの(せり・なずな/ごぎょう・はこべら/ほとけのざ/すずな・すずしろ/)以外としては,蕗,茗荷,三つ葉,山葵などでしょうか。春の七草で現在普通に食べられるものは,「すずな・すずしろ」くらいでしょうが,これらは「かぶ・大根」を指しますが,いずれも有史前後に海外から入ったとみられます。


子供の頃,祖母はもちろん母もキャベツのことを「玉菜」と読んでいました。たしかに玉状になった菜葉です。これの主要な害虫がモンシロチョウの幼虫の青虫です。一説によれば,モンシロチョウはキャベツや大根などのアブラナ科の野菜の移入と共にやって来たいわば外来種で,古代の日本にはいなかったともいわれます*。もともといた似たチョウとしては,スジグロシロチョウですが,うまく棲み分けができて共存できたのでしょう。

スジグロシロチョウ♂。殆どの人がモンシロチョウと区別つかないチョウ。生息地はやや異なり食草は野生種を好む。♂はレモンの様な芳香がある。CC BY-SA 4.0
何やら,昨今の温暖化と栽培種のスミレにつくことで生息域を広げているツマグロヒョウモンと重なります。在来種の多くのヒョウモン類たちも,うまくコイツと棲み分けて共存してほしいと願うばかりです。
モンシロチョウの様にうじゃうじゃいるツマグロヒョウモン。全て♂。

*昔そう聞きましたが,最近の遺伝子調査では,人間よりも前からいたとも。
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ロートレー

家庭菜園では、(防蝶)ネットは必須ですね
ネットなしでも元気なのは、唐辛子類ぐらいなものかな^^
by ロートレー (2023-09-30 09:03) 

Enrique

ロートレーさん,
当方はモンシロチョウ以外は歓迎なのですが,妻がキアゲハが産卵したミツバを全部引っこ抜いてしまいました( ; ; )残念ながら,普通芋虫・毛虫は嫌われますね。
樹木ならあまり気にされないので,クスノキ(アオスジアゲハ),エノキ(ゴマダラチョウ,オオムラサキ,テングチョウ),柑橘系(アゲハ類)などが狙い目です。
by Enrique (2023-09-30 20:41) 

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