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徒弟制度に関して [雑感]

かつての徒弟制度では,親方は弟子に教えることはせず,技は盗めと言われたものです。

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私が再開後ついたギターの先生も,師匠の家の樹木の根の掘り起こしまでやったそうです。師弟関係とは全く関係のない事までやらせるというのも,現在では完全にアウトでしょうが,伝統的な技能などの世界ではありそうな事です。

親方も徒弟だった頃その様に身につけたので,教えようもなかったのかもしれません。
現在ならば,余計なことをさせるはご法度でしょうし,生徒が解決策を求めて来ればそれを教えるのは指導者の重要な役割でしょう。むろん,苦労して身につけたものは,いろんな意味でそうそう簡単に他人教え切れるものでもないかも知れません。


すんなり合理的に教えられる時代になれば,それが普通になるでしょうが,苦労して覚えた・盗み取った技術を後世にどう伝えるか?移行期にある人たちは苦労することになります。自分たちが学んだ時代そのままのやり方が通用しないとすれば,苦労して学んだ技術を,苦労なしに学べる様合理化して伝えていかないといけません。

自分は苦労したので,子供たちにはそういう苦労をさせたくないというのも親心ですし,ある程度は苦労して身につけないと定着しないという側面もあります。どちらが良いのか,分野により人にもよりケースバイケースでもあると思います。

問題意識を持ち,日々学ぶ意欲のある人にはうまく教え込めばどんどん先に進むでしょうし,そうでない人に幾ら教え込んだところで身につくものではありません。教えすぎも良くない。教育の難しさです。現在の価値観では問題のある徒弟制度も,かつてはそれなりに合理的なものだったのでしょう。
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