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体の緊張を防ぐ [演奏技術]

かつては感じなかったのですが,弾きにくいところをさらったり,新しい技術を身に付ける際はもちろん,当方の場合新曲を初見で演奏したりする際,体に緊張が入ることを感じます。

本番であがる,と言う事はこのブログ開始時から問題にしています。むろんその前から酷かったので,このブログを使ってそれの論考(というよりは独り言)を開始したと言っても過言ではありません。

このごろ,最初から緊張を入れないことが大事かなと感じています。体に緊張が入ったら,即演奏を止めてリラックスするのが重要かなと。かつてなら,無理やり継続して何とか克服しようと頑張ったものです。しかし,むしろ,そうすると却って緊張感を体に記憶させてしまうことになるようです。緊張が入った状態で練習で何とか弾けたつもりになっていても,それは砂状の楼閣ではと。

もちろん弾きにくいパッセージなどをさらうには繰り返し練習が必要です。その際,闇雲に弾いていないかという事です。

この秋,荘村清志さんの自伝が新聞に連載しました。その中で,イエペスの家での練習ぶりが紹介されていましたが,これが全く示唆的なものでした。イエペスはその様な練習の際,一回さらうごとに,海辺で拾ってきた貝を一つずつ机に並べていたとの事です。間断なく弾いたのでは,悪い緊張状態を体が覚えてしまうので,一回ずつ体をリセットするためだったとのことです。荘村さん自身,若い頃はその意味が良く分からなかったと言います。後年,年齢経験を重ねてからその意味が良くわかる様になったと,そんなお話でした。

貝を並べるかどうか具体的な行為は別にして,体に緊張が入った場合無理に続行するよりも少し時間を取るのは大事だと,遅ればせながら感じています。
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たこやきおやじ

Enriqueさん

間を開けて練習する方法は、昔体育か何かで「インターバル・トレーニング」というのを習った記憶があります。イエペス大先生はこれに類するやり方で練習していたのではと勝手に想像しています。


by たこやきおやじ (2019-12-26 10:05) 

REIKO

「一回弾くごとに貝殻並べ」は、私も新聞で読んで強く印象に残りました。
若い時の庄村さんは、そんなの時間の無駄としか思えなかったそうですね。
誰でも若い時は、他人に対する競争心、早く世間に認められたい気持ち、こんなはずじゃないという焦り…などなど、色々な思いにがんじがらめになっていて、心に余裕がないものです。
そのため見当違いの方向に頑張りすぎ、マイナスの結果を導いてしまうこともあるようです。

私も「よし、今日は録音しよう」という時には何回も弾いてみるのですが、たとえ無駄な力が入っていなくても、同じ曲を繰り返していると何となく体が硬直してきて、ゆったり弾けない感じになってきます。
そこで「夕刊を取りに行く」「窓の開け締めをする」「両手を上げて万歳三唱」…などすると、それだけで随分とほぐれるんですね。
その直後に、上手く録音できることが結構多いです。
by REIKO (2019-12-28 15:42) 

Enrique

たこやきおやじさん,
スポーツの世界のインターバル・トレーニングが,楽器の演奏の場合と同質のものなのかどうかは分かりませんが,その様な手法はあるということでしょうか。
イエペスは研究熱心で,10弦ギターのみならず,氏が開発した奏法上の工夫もいろいろありますね。
by Enrique (2019-12-29 16:54) 

Enrique

REIKOさん,
ぜんぜん話が別ですが,むかし企業の技術者をしていた頃,夜中まで頑張って測定プログラムを書いていても,うまく走らず,諦めて帰って翌朝何なく動くという経験がありました。何のことはなく,電源を切ってリセットされたのが良かったという事なのでした。
頑張りすぎるよりも,休んだ方が良い場合があるということですね。無論休み過ぎもダメですが。
身体の緊張をリセットするというのは,かなり重要な事の様に思います。
by Enrique (2019-12-29 17:04) 

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