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問題と課題 [雑感]

基礎と基本の違いに触れましたが,同じくらいの混同に問題と課題があります。

辞書によれば,

問題:
1 解答を求める問い。試験などの問い。「数学の問題を解く」「入試問題」
2 批判・論争・研究などの対象となる事柄。解決すべき事柄。課題。「そんな提案は問題にならない」「経済問題」「食糧問題」
3 困った事柄。厄介な事件。「新たな問題が起きる」
4 世間が関心をよせているもの。話題。「問題の議員」

1はプロブレム,2はイシュー,3はトラブルとかインシデント,4はアテンションとかトピックスとかでしょうか。

課題:
1 与える、または、与えられる題目や主題。「論文の課題」「課題図書」
2 解決しなければならない問題。果たすべき仕事。「公害対策は今日の大きな課題である」「緊急課題」

1の意味を言い換えれば,テーマやタイトル。2はイシューでしょうか。

いずれも2番目の意味で重なりが認められます。この辺が混同の原因でしょうか。
「問題」は,大概困った事柄に使われる事が多いようです。試験問題も受験者を悩ませます。

一方,課題には良い悪いの意味はなく議論に取り上げられる視点です。

当方が以前受けた論文試験では,よくない具体的事象を問題として取り上げ,それらの解決策をまとめたものを課題として明確に区別して書きました(そうしないと落ちます)。問題は具体的な個々であり,課題は人為的にまとめられ整理された抽象的項目と認識しています。

それでも,よくよく注意しないと混同して書いてしまいます。
例えば,「この曲はセーハが課題」だとか書いてしまいます。文章的に間違いではありませんが,これでは,セーハをどの様に取り上げているのか曖昧です。「この曲はセーハが多くて音が出にくい」というのは問題であり,「この曲のセーハを克服すること」は課題です。むろん,セーハの克服のさらに細かな課題はありますが。
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たこやきおやじ

Enriqueさん

日本人の多くは、小学校の「テストの問題」、「夏休みの自由研究の課題」からこの言葉に接していると思います。その後これらの言葉の意味などさほど真剣に調べたり考えたりする人は少ないと思います。この辺が混同の要因かと思います。これらの言葉はEnriqueさんが書かれているように、英語で考えるとあまり混同はしないと思います。日本語の漢字の持つ曖昧性、抽象性が原因だと思います。(^^;

この前の「基礎」は広辞苑で調べるとなるほどと解った気がしましたが「基本」は広辞苑でも私は曖昧であると感じました。(^^;

by たこやきおやじ (2019-12-17 12:51) 

Enrique

たこやきおやじさん,
新しい辞書でないとダメだとか言います。
言葉は生き物だからでしょう。
誤用が多くなると,辞書もそれに引きずられます。
辞書はダメだなんておこがましいことは言いませんが,
言葉は自分なりに区別して使うべきと思います。
by Enrique (2019-12-17 14:33) 

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