和風・洋風? [雑感]
和風と洋風にはたぶん明確な基準は無いと思いますが,そのデザインと共に,色合いの差異も大きいのではないかなと思っています。
和色大辞典というページを見ますと,色の名前が,色見本と共に,465色紹介されています。
同じサイトの洋色のページでは,世界の慣用色として285色紹介されています。洋絵具の色の名前はこちらになっているのでしょう。
和色にはくすんだシックな色が多いように見えます。和色のパレットで絵を描けば,和の雰囲気となりそうです。
◆
音楽の色合いと言えば,もちろんそこで使われる音階です。
西洋音階では,イオニア旋法が元になった長音階と,エオリア旋法がその元になった短音階が多く使われます。
和には和の旋法があります。
和旋法にチューニングされた箏をテキトウに掻き鳴らしても,和の雰囲気になります。
面白い事に,和楽器で洋楽を弾いても,なんとなく和風のテイストになります。
これは,楽器の音色(ねいろ)や奏法的な効果によるものでしょう。
例えば箏なら「押し手」や「後押し」の様な独特な音程調整が,西洋楽器のヴィブラートとは異なる雰囲気を醸し出しているのでしょうし,余韻や残響を用いたハーモニーが余り使われないのは,演奏される建物が木造で石造りのようには響かないことから来ているのでしょう。
色について言うと、日本は草木染などが多く、中間色が多い、他方他の文化では鉱物を原料として使うことが多く、原色や発色のよいものが多い、そんな漠然とした印象があります。まだ調べたことはありませんが。
楽器についていうと、奏法によって随分与える世界が変わることがあります。琵琶というと、大学時代までは、琵琶法師や雅楽の印象しかありませんでした。
日中国交正常化により、中国の二胡や琵琶の演奏家が訪日しました。その時テレビで見た琵琶の演奏が超絶技巧的なものだったので、衝撃的でした。漢、唐、清などの宮廷では、こんな琵琶の演奏を聴いていたのかもしれない、と。尚、この時の曲は中国の物でしたので、全く和風には聞こえませんでした。
by アヨアン・イゴカー (2018-11-01 08:47)
アヨアン・イゴカーさん,
和の色と他の文化の色の違いについては,私も仰る通りの印象を持ちます。色の名前からもそれは裏付けられます。
「和風」というのも,はっきり定義できない漠としたものですが,そのテイストは意外と強かったりもします。その感度が高まっているせいなのでしょう。
日本人のしゃべる英語は直ぐ分るとか,共通するかもしれません。
琵琶に関しては先祖は中近東のウードだと言われますね。
西洋に渡ってリュート,中国・日本に伝わって琵琶となったようですが,日本の琵琶はまた独特な変化をしたのでしょうか。
by Enrique (2018-11-01 14:09)