ツメの削り方が少し分かった [演奏技術]
先の記事で,ギターの音を滑らかに聴かせるためには,無音部を減らす事に加え,ヴァイオリンの波形からの類推で,立ち上がりをソフトにする事だろうと言う事を書きました。
立ち上がりがソフトでレガートに聴こえる音を出すためには,もちろん右手のタッチが重要ですが,よいタッチの為にはツメの削り方も極めて重要だということをこの頃つくづく感じています。
最近ツメを短くしています。逆説的かもしれませんが,ツメは短いほうがよりその整え方が難しくなる様に感じます。ツメが長ければツメの当たる点を調整して良い音の出るポイントで弾くかもしれませんが,短いと入る点とリリース点が否応無しに決まってしまい,その部分のツメの調整が悪いと不本意な音しか出ません。
安定したフォームで安定した良い音にするためには,ツメの整え方が極めて重要です。指頭弾弦に近い状態で,弦がツメと指頭を滑り,リリースの瞬間のみツメから離れる様にしています。ツメの長短に関わらず,弦に対して直角にタッチしますと,ひっかける様なタッチになり,クリックノイズの様な「パツン」っと言った感じの音になります。斜めに指頭から入りツメに抜ける。ソフトな音の方が聴感的な音の繋がりも良いようです。フワッと入り無音との間の差が少ない為ではないかと思います。
指頭上での弦の入りと抜け位置ですが,特に後者の位置は抜けが瞬間的な為,その位置がはっきりしません。特にこの頃,a指の調子が悪く,音に雑音が入ります。音の立ち上がり部分に出る訳ですが,具体的に指(爪)のどの部分で出ているかがはっきりしません。確かめてみる事にしました。
i指上のインク痕 | m指 | ||
a指とm指 | a指の爪の外側 | ||
その後,指頭上や爪に残るインク痕を観察すれば,弦の軌跡がわかるはずです。
i指が爪幅の70%くらい,m指が75%くらい掛かってリリースされているのに,a指だけは60%くらいしか掛かっていません。おまけに抜け側の爪の表側がガタガタしていることがわかりました。入り側(爪の親指側)では爪の裏側から触れて,出側は爪の表側に触れながら抜けますので,弦が触れる位置が滑らかに整っていないとキレイな音が出ません。雑音の原因はここだと特定できました。
a指の爪をもう少し伸ばして爪の抜け位置をもう少し遅めることと,抜け側である爪の外側を滑らかに面取りすることです。現在,その方針で爪形成中です。
美音を奏でる為に、爪は重要なんですね。
参考になります。
タッチ+爪も研究したいと思います。
爪の研ぎ方も、指の形や爪の形で、各々各自異なる様で、
自分に見合った爪の形が定まるまでは、一苦労してます。
大変勉強になりました。
これからも宜しくお願い致します。
by 浜っ子カルメン (2018-03-20 15:25)
浜っ子カルメンさん、コメントありがとうございます。
爪には苦労しますね。
私の場合、老化現象で爪の縦縞がきつくなって来たのが一つ原因です。あと柔軟性も無くなっているようです。
爪のささくれをアロンアルファで補修しますと更に硬くなるという悪循環です。
綺麗な音は必須ですが、かといってその事にのみエネルギーを使ってしまうと音楽にならなくなるのがジレンマです。
普通に楽に弾いて良いタッチになるような爪の整え方を模索しています。
by Enrique (2018-03-20 18:18)