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〜の様に〜で無い [ストレス蓄積と発散の日々]

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学生時代,この表現は避けた方が良いと教わりました。

しかし,結構使われます。
「〜の様に」というたとえ話は,分かりやすいものです。例えが適切かどうかの問題は別として,「〜の様に〜である」なら問題ありません。最初の「〜の様に」の「〜」は自明の事であれば良いのですが,そうで無い場合,二通りに取れてしまうからです。

例えば,「ギターは,バイオリンの様に年齢に合ったサイズは無い。」
という表現があります。著者は,バイオリンが年齢に合った様々なサイズがあるということを周知のこととして,ギターにはそれが無いと述べているわけで,その前提となる知識があれば何の問題もありません。しかし,バイオリンが年齢に合った様々なサイズがあるということを知らない人がこれを読んだ場合,「へー,ギターもバイオリンも年齢に合ったサイズなど無いんだな。」とバイオリンに関して間違った意識を持ってしまう危険性があります。もちろん,前後に説明があればそう言う事にはならないでしょうが可能性としてあるわけです。

何かを読む場合には,それなりの予備知識は必要なことでしょうが,誤解を招かない様な表現にしておく事は重要なことです。上で挙げたのは分かりやすい例ですが,これがこみ入った話になると,さっぱり分からなくなるのではないでしょうか。実験結果などを説明する際にこの様な表現を使うと,実験をした本人は分かっても,実験をしていない読み手には分からなくなるから止めた方が良いというのが冒頭の主旨でした。

文章に書けば,まだしっかりと考えられもしますが,日頃出会う言葉による主張には,正確性や論理性の無いものも多くあります。「なぜそんなことが言えるのか?」「根拠は何?」「だからどうしたって?」でかい声でまくし立てられても,何とも分からずぽかんとしてしまいます。後でよく考えてみても,さっぱりわからない主張だったりすることも多いものです。もっとも,何も考えないで己の感情だけで喋るから,でかい声でペラペラ言えるのでしょうが。
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アヨアン・イゴカー

私も、分かりやすく、正しく日本語を使いたいという願望は、いつも抱いています。

日本語には、ヨーロッパ言語のような関係代名詞がありませんので、このような「~の様に~でない/である」と使ってしまうことがあります。書かれているように、前提になる知識の有無によって意味が異なってしまいます。
英語を直読直解できるようにするための方法として、関係代名詞を先行詞の単なる形容として訳すとやり方を何十年か前に知り、意識するようにはしています。She carefully looked at the cat whose owner is a stingy man・・・彼女は注意深くその猫を見た、で、その猫の飼い主がけケチな男で、・・・とそのまま続けてゆく方法です。

>「ギターは,バイオリンの様に年齢に合ったサイズは無い。」
この例であれば、
ギターは、バイオリンの様に、バイオリンは年齢にあったサイズがあって便利なんだけど、そういう年齢にあったサイズは無い
のように関係代名詞を意識して書かないとあいまいになります。

母国語の日本語だからと言って油断すると、自分の知識のみの前提を元に文章を展開することがあって、ご指摘のような曖昧、不正確、誤解を与える表現をしてしまいがちです。私も、職場で短時間で文章を打ち込んでいて、読み直して慌てて直すことがあります。
by アヨアン・イゴカー (2017-05-14 10:22) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,曖昧・不正確・誤解のコミュニケーション例には,いろいろあるでしょうが,ごく一例を挙げました。関係代名詞が無いのが災いしているという事ですか。勉強になります。冠詞の無さも影響しているのかもしれません。日本語は同質の人間間のコミュニケーションで,ほぼ同じ様な経験をしているというのが前提なのかもしれません。他人からの指摘事項でも,相手の立場に立って見れば「ああこんな事言っていたのか。」と分かる事もあるのですが,同質な経験が前提だとあぶないですね。論理的議論が出来れば良いのですが感情のたがいも起きてしまいます。
正確な文章は一晩寝かせてと言います。勢いでのメールの文章とかはあぶないですね。事前説明無しでの話し言葉ですと特に困ります。

by Enrique (2017-05-14 14:18) 

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