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楽譜の電子化について~piaScoreの書き込み機能などについて~ [雑感]

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iPadを譜面代わりにする際,気になる書き込み機能などについてです。

piaScoreについては,4年ちかく前に紹介しました。そこで,iPadの画面の小ささを嘆き,アプリpiaScoreの書き込み機能についても触れています。

iPadの画面の小ささはiPad Proの登場でかなり改善しましたし,画面の精細度も上がり,ハードウェアは大きく進歩しました。一方アプリ・ソフトはどうでしょうか?当時興味を持った楽譜の電子化でしたが,画面の小ささは如何ともしがたいところへ持ってきて,小さなiPadの画面を更に小さくしたiPad miniなるものが出たので,楽譜の電子化には全く興味を失ってしまい,もっぱらネット上のpdfの楽譜をプリントアウトして使っていました。今回,iPad Proに楽譜表示アプリpiaScoreを入れて見て,こちらのほうも大分進化している事に気づきました。

何と100万ダウンロードを突破しているそうです。開発元も何人かの会社組織にして頑張っているようです。書き込み機能は,サインペンで書いたようなお絵かき程度でしたが,現在では従来の手書き機能に加え,キーボードからテキストを打ちこむことが出来,更に良いのは,スタンプ機能です。

ノーテーションソフトで楽譜は素早く作れても,実際演奏する譜面を作るには運指を書きこまなければなりません。これは一応できるのですが,かなり面倒な作業なので,私はノーテーションソフトでは白楽譜を作り,運指は手書きにしていました。しかし,piaScoreでは既存の楽譜上に,運指を入れるのは,かなり簡単です。楽譜の上にかぶさるレイヤー上でやっているので,編集がラクな上,指番号の0, 1, 2, 3, 4に加え,弦番号の丸付き数字,右指のp, i, m, a, chまでが揃っています。C.1,C.2などのセーハ記号も,テーブルに揃っているのは有り難いです。

自動譜めくりなどの大技も重要ですが,この様な小技も大いに助かります。
その他の有難い点は,トリム機能です。そのトリム枠で,楽譜の最後迄表示してくれます。ただでさえ面積の少ないiPadの画面上ですから,余白をはぶいて楽譜部分を拡大してくれる機能は大助かりです。これは,小技というか,「技あり」くらいの中技のように思います。紙の楽譜の余白部分は,iPadでは画面外の渕の部分に相当するとして,画面上ではギリギリ五線譜一杯に楽譜を表示させておけば良いわけです。従来私はスキャンした楽譜を,データ上でギリギリまでトリミングして表示させていましたが,この機能のお陰でその手間が掛らず大助かりです。

便利になるとまた注文も出て来ます。
書き込み機能でスタンプを押す際,虫眼鏡が出る機能は大変助かるのですが,この虫眼鏡,決まって上部にしか出ないので,楽譜の上部を拡大している時,虫眼鏡が画面外に行ってしまって用を果たさなくなることがあります。当然こういう場合は虫眼鏡は下部に出させるべきでしょう。また,折角楽譜を拡大して精度よく運指番号などのスタンプを押しても,指を離す瞬間にずれてしまいます。座標のアプリへの読み取りタイミングを少し前倒しにしてもらえば良いのだろうと思います。次のヴァージョンアップでお願いしたいところです。

ついでに,夢も語っておきます。やはり自動譜めくりについてです。前回とりあげた楽譜のカラオケ歌詞方式ですが,やはり楽器を主体的に奏でると言う行為からして,カラオケ方式には抵抗があります。人間の演奏に譜めくりタイミングを合わせるべきでしょう。そのためには,現行のpdf表示方式ではキビシく,何らかの音情報の取り込みか付加が必要でしょう。その上で,コンピュータに生演奏の音を認識させ,表示している楽譜情報とパターンマッチさせて,どこを弾いているか判断させる必要があります。一回弾いて録音し,その情報と生演奏とをパターンマッチすればいけそうです。音声認識の様なものでしょうが,音程を捉えるだけなので音声認識よりも技術的にはラクな気はします。ゆくゆくは学習させなくても出来るようになれば更に良いのだろうとは思います。

現状での実用の最適解は,足ふみペダルです。しかし,足ふみであれ,手でスワイプであれ,ページがぱっと切り替わるのは違和感があります。視奏するには,アイ・ハンド・スパン(先読み)が必要な訳で,レイアウト機能として用意される,楽譜が上下半分ずつ切り変わって行くのも悪くは無いのですが,普通の楽譜はページにより段数や小節数が異なるわけですから,いくら正確にテンポ設定をしても何ページかあると何処かでずれてしまいます。むしろ,一定速度ではなくリハーサルのタイミング,ないしは直接時間設定してめくるようにしてくれれば十分実用になるものと思います。またその際,半ページづつの切り替えだと楽譜の絵づらが変わってしまうので,次ページ一段分程度の先読みで十分だと思います。
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アヨアン・イゴカー

譜めくりについては、頷く、頭を横に振るあるいは目で合図を送るなど動作で動くのが便利に感じます。こんな合図を簡単に認識するソフトができそうな気がしますが、どうでしょう。
by アヨアン・イゴカー (2015-12-19 19:46) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,ありがとうございます。
譜めくりに関しては,おっしゃる通りだと思います。
同アプリにもイン・カメラの画像を利用して,譜めくりする機能が搭載されており,試したことがあります。頭を傾けた方向に譜めくりされるもので,良いアイデアと思いましたが,誤動作も多く(確実性に欠け直ぐに訂正動作もとれない),特にギターでは指板を見る動きもあるので,使えないと思いました。画像処理技術の問題だろうとは思いますが。その後改善されている様でしたらまた試したいと思っています。
by Enrique (2015-12-20 05:14) 

アヨアン・イゴカー

カメラの画像処理ではなく、演奏者の頭に極小さな発信機(例えばイヤリングのような)を付けて、それをPC側のセンセあーが感知するような方法を想像していました。
by アヨアン・イゴカー (2015-12-20 09:02) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさんありがとうございます。
このアプリについていた機能は,画像処理によるものでした。
非常に良いアイデアだと思いましたが,いかんせん確実性がありませんでした。現在のバージョンには付いていず,別売のペダルを推奨している様です。
by Enrique (2015-12-21 06:43) 

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