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Carcassi 再考~Op.60-24~ [演奏]

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久々のカルカッシ再開です。今回はOp.60-24ホ長調です。

6/8でゆっくり。ショパンのバラードを思わせるような曲です。
カルカッシ(1792-1853)のこの曲集は,Brian Jeffery氏によれば,恐らく1836年頃に作曲され,没年の1853年に出版されたとの事ですから,時期的にはショパン(1810-1849)とも重なりますし,ピアノの練習曲で有名なブルグミュラー(1806-1874)とも重なります。年代的に最も近いのはチェルニー(1791-1857)でしょうが,彼は本拠地はウィーンでした。前3者は出身国が夫々異なりますがパリで活動したと言うのが共通点です。

さて,この曲はゆっくりですが,結構メンドウです。
何気ないモチーフで始まり,中盤はそれが低音に引き継がれます。後半は減和音などを織り交ぜて盛り上がり,静かに終わります。練習曲ながら,変化を持った曲になっています。Andantino con espressioneで,ややもするとこてこてロマンチックになりそうです。ゆっくり過ぎると間を持たすのに何かやってしまいそうになりますので,少し速めでも良いのかも知れませんが。音をレガートに繋げる必要があると思いながらも,全然そうなっていないところがあります。ホ長調は楽器はよく鳴りますが,左手の拡張の厳しいところが出現します。


前回2011年の演奏はこちら。

今回は,下のプレーヤで。

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コメント 2

アヨアン・イゴカー

しっとりとした曲を、丁寧にしっとりと演奏されていますね。
映画の一場面に使われそうな曲、そのような印象です。
by アヨアン・イゴカー (2015-11-28 11:51) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,ありがとうございます。
この曲は,この練習曲集25曲の中でも異質な曲です。最後から2番目なので,すこし音楽性を求めるものなのかもしれません。演奏はちょっとゆっくり過ぎた様な気もしております。
by Enrique (2015-11-28 16:32) 

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