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弦の伸びの定量的測定~全弦測定~ [楽器音響]


弦伸長測定器による測定データ公開の続報です。これまで③弦と④弦のみでしたが,全弦測定しました。1本につき1日半から2日掛けていますので,けっこう日が掛りました。

まず,測定装置をGooge Sketchupで描いたものです。
ElongationMeasuringFixture.png

可動部分,カゴ,鉄板のおもりなどのクローズアップです。
ElongationMeasuringFixtureCloseUp3.png

さらにカゴ部分のクローズアップです。
ElongationMeasuringFixtureCloseUp1.png

上駒の弦固定部のクローズアップです。
ElongationMeasuringFixtureCloseUp2.png

測定結果を高音側と低音側を分けでグラフ化しました。まず,ナイロンモノフィラメントの高音側です。
Figure1.png

次は,巻弦の低音側です。
Figure2.png

弦によってかなり伸びの速度が異なる事がわかります。各弦の伸びは,大体対数時間で直線に乗る事が分かりました。割と精度の良い実験式が得られましたので,これから,弦の落ち着き状況を定量的に見積もる事が出来ます。これに関しては記事を改めて書きます。
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Hagi

Enriqueさん、大変にお疲れ様でした。全弦の測定終了ということで一応一区切りでしょうか。そのご苦労を労いたい気持ちは十二分にあるのですが、それとは裏腹に新たに知りたいことも出てきてしまいます。
それは・・・、いつ切れるんだろう?  (すみません口が滑りました)

「弦の伸びは時間軸を対数にとればリニアに変化する」
ことが理解できました。
では・・・寿命はいつ? ということに興味が湧きます。
以前、弦の汚れによる寿命というのを教えていただきましたが、どうもしっくり受け入れられず。自分的には弦の伸びで質量が低下して、音が軽くなっていき、それが受け入れがたい状態になった時が寿命となる。というストーリーがこの測定で裏づけられるように思うのですが、いかがなものでしょうか。


by Hagi (2014-07-04 10:00) 

Enrique

Hagiさん,コメントありがとうございます。
まずは,使える状態になる「伸び速度(一定時間内での伸び)が、許容範囲に入る」ことだと思います。このことは今回のデータから大体出せると思います。
寿命に関しては,時間が経てば経つほど,伸び速度は減って安定した状態になりますが,目に見えて伸びて細くなって許容範囲を超えると言う事は無いと思います。
例えば,2弦が1弦なみに細くなるかというと,天文学的な時間よりもはるかに掛かり,決してありえません。そのはるか前に、音が死にます。その原因は低音弦では汚れ,高音弦ではキズです。音に艶がなくなる。クルマならエンジンがダメになるより足回りや付属品がダメになるのが早いというのと似ているかも知れません。
by Enrique (2014-07-05 01:17) 

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