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M.M.ポンセについて [作曲家]


一般には,ハイフェッツ編の「エストレリータ」でのみ有名なマヌエル・マリア・ポンセ(1882-1948)ですが,ギターでは重要な作曲家です。

しかし,もともとはピアニスト作曲家で,その音楽はギター音楽にとどまりません。第三世界(メキシコ)出身の作曲家だからかあまり有名ではありませんが,もっと認識されても良い作曲家だろうと思います。
Wikipediaの英語版西語版のほうが曲の掲載が多かったです:後注)に載っている作品リストを以下に貼り付けておきます。

Guitar music
Canciones populares mexicanas, La pajarera, Por ti mi Corazon, La valentina Sonata mexicana (1925)
Thème varié et Finale (1926)
Sonata III (1927)
Sonata clásica (1928)
Sonata romántica (1929)
Suite en la Mineur (1929)
Variations and Fugue on 'La Folia' (1929)
Valse (1937)
Sonatina meridional (1939)
Variations on a Theme of Cabezón (1948)
Dos Vinetas' (post-humous)

Piano works
Quatro Danzas Mexicanas
Intermezzo
Balada Mexicana Version for Piano solo and Piano and Orchestra
Mazurcas
Concierto romántico
Scherzino a Debussy
Scherzino mexicano
Estudios de concierto
Elegía de la ausencia
Tema mexicano variado
Suite cubana
Concerto para piano
Rapsodia Cubana
Rapsodias Mexicanas

Songs
Adiós mi bien
Aleluya
Alevántate
Cerca de tí
Cinco poemas chinos
Cuatro poemas de F. A. de Icaza
Dos poemas alemanes
Dos poemas de B. Dávalos
Estrellita (1912)
Forse
Ho bisogno
Insomnio
Isaura de mi amor
La pajarera
Lejos de tí
Lejos de tí II
Marchita el alma
Necesito
Ofrenda
Poema de primavera
Por tí mi corazón
Romanzeta
Sperando, sognando
Seis poemas aracáicos
Serenata mexicana
Soñó mi mente loca
Tal vez
Toi
Tres poemas de E. González Martínez
Tres poemas de M. Brull
Tres poemas de Lermontow
Tres poemas de R. Tagore
Tres poemas franceses

Último ensueño
Una multitud más

Folk Song Arrangements
A la orilla de un palmar
A ti va
Acuérdate de mí
Adiós mi bien
Ah, que bonito
Cerca de mí
Cielito lindo
Cuiden su vida
China de mi alma
De tres flores
Dolores hay
Dos seres hay
El bracero
El desterrado
Estrella del norte
Hace ocho meses
La barca del marino
La despedida
La ola
Palomita
La palma
La peña
La visita
Nunca, nunca
Ojitos aceitunados
Oye la voz
Para amar sin consuelo
Para qué quiero la vida
Perdí un amor
Perdida ya toda esperanza
Pobre del hombre pobre
Por esas calles
Por tí mujer
Que chulos ojos
Que lejos ando
Que pronto
Quisiera morir
Si alguna vez
Si eres receuerdo
Si algúna ser
Son las horas
Soy paloma errante
Te amo
Todo pasó
Trigueña hermosa
Valentina
Ven oh luna
Vengo a saber si tú me amas
Voy a partir
Ya sin tu amor
Yo me propuse
Yo mismo no comprendo
Yo te quiero

Chamber music
Miniatures for violin, viola and cello (1927)
Quartet for violin, viola and cello (1932)
Sonata a dúo for violin and viola (1936–1938)
Trio for violin, viola and cello (1943)
Trio romántico for violin, cello and piano
Canción de otoño for violin and piano
Sonata for cello and piano
Sonata for guitar and harpsichord

Orchestral works
Chapultepec
Cantos y danzas de los antiguos mexicanos
Instantáneas mexicanas
Poema elegíaco
Ferial

Concertos
Concierto Romántico for piano and orchestra (1910)
Concierto del sur for guitar and orchestra (1941)
Concierto para violín y orquesta (1943)

作品はあらゆる分野にわたっており,むしろギター曲はそのうちのごく一部といえます。
歌の作品が多いように見えますが,ここに取り上げられている曲は一部で,ピアノ作品はこちらのページで紹介されている位(200曲あまり)多くあるようです。

作品のごく一部ですが,ピアノ譜(CD付!)が全音からも出ていました。

CD付 ポンセ ピアノアルバム  宮崎幸夫 編 (Zen‐on piano library)

CD付 ポンセ ピアノアルバム 宮崎幸夫 編 (Zen‐on piano library)

  • 作者: 宮崎 幸夫
  • 出版社/メーカー: 全音楽譜出版社
  • 発売日: 2005/09/21
  • メディア: 楽譜

幼少より作曲を始めた彼(8歳の時からのピアノ曲が残っています)は,霊感の泉を持った作曲家だったようです。大変な勉強家でもあったようです。上で紹介のページに詳細がありますが,すでに名声を確立していた42歳の時にパリ高等音楽院に欧州二度目の留学。作曲を師事したポール・デュカスは彼の卒業にあたって10点満点のところを30点つけたのだそうです。

初期の小品。「追憶」。


人気曲?「間奏曲」


ポンセのピアノ曲の傑作「バラーダ・メヒカーナ」。


人によっては物たりないかも知れませんが,何ともけれんみのない音楽です。
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Cecilia

ブログ友のみどりのこびとちゃんがお好きのようで気になる作曲家だったのですが、まともに聴いたことがありませんでした。
ピアノ曲、美しいですね。
「追憶」の最初の部分のメロディー(何度も出てきますね。)、つい♪オーレ、オレオレオレ~♪が浮かんでしまいました。(笑)
「間奏曲」はちょっとだけ「ある愛の詩」に似ているかも?ムード音楽っぽい雰囲気もありますね。
「バラーダ・メヒカーナ」も♪オレオレオレ~♪が多いかも?ポンセはこのパターンが好きなんでしょうか?それともメキシコ音楽にあるパターン?

みどりのこびとちゃんの記事です。(マンドリンオケの演奏が聴けます。編曲・指揮はみどりのこびとちゃんです。)
http://kfc-201.blog.so-net.ne.jp/2006-06-06
by Cecilia (2012-11-27 09:50) 

Enrique

Ceciliaさん,nice&コメントありがとうございます。
ポピュラーっぽ過ぎるところがタマにキズですが,多分ポピュラー音楽がラテン系のものを取り入れているから,ポンセ曲もそのように感じるのだと思います。ポンセ自身もそれを感じてか,近代的な作曲技法を身につけようとしたのでしょう。いい歳になってから再度ヨーロッパ留学を果たします。こちらに貼り付けたものはいずれも二度目の留学以前の作品ですが,二度目の留学以降は曲は少し難解になっていますね。
それから,曲目リストには載っていませんが,ギター曲にもまだあって,思いつくところだけでも,名を出さずにアレッサンドロ・スカルラッティ作とした「組曲ニ長調」や「プレリュード集」などがあります。C=テデスコもそうなのですが,楽器を弾かない人が効果的なギター独奏曲を書くのはすごく大変な事ですが,それをやっています。ポンセは比較的弾きやすくて,演奏効果を上げますので,相当な作曲技量があったものと思います。
みどりのこびとちゃんの記事は時々拝見していましたが,ポンセはかなり初期に取り上げられていたのですね。
by Enrique (2012-11-27 12:30) 

黒板六郎

スケルツィーノメヒカーノ、若かりしジョンの名演奏に感銘を受けたもんです。シンプルなメロディーですが切れないように弾くってむずいいです。あと南のソナチネもいいですね。ヴァイスの名で出した組曲中のサラバンドも大好きです。しかしまあ好きな曲言い出すときりがないです。
関係ありませんが、ポンセさんきっともてたんでしょうねえ。イケメンですもん。
by 黒板六郎 (2012-11-27 21:15) 

Enrique

黒板六郎さん,コメントありがとうございます。
ポンセはC=テデスコと共に近現代の重要な作曲家です。私のかなり好きな作曲家ですが,知名度イマイチでウチの妻など,ヘンな名前の作曲家だとか言っているので,今度「カベソンの主題による変奏曲」でも弾いてやろうかと思っています(カベソンは彼女らがチェンバロで弾く作曲家ですね)。
ヴァイスの名による「組曲イ長調」,「南のソナチネ」,「ソナタ・クラシカ」,A.スカルラッティの名による「組曲ニ長調」などに取り組んできましたが,どれも良いですね。そして,死ぬほどには難しくないのがいいですね。どんなに良い曲でも,ギターで難しすぎたら音楽になりませんから。
ポンセさん真面目な人ですから,大恋愛した奥さんのクレメンティーナ一筋でしたね。
by Enrique (2012-11-27 21:48) 

REIKO

ポンセ、好きです~♪
NAXOSからたくさん出ている、新人ギター演奏家のCD(若くてイケメンが多いので、結構買っているw)に良く選曲されていて、特に「Sonatina meridional 」が気に入ったのがきっかけでした。
適度な新鮮さ、ポピュラーっぽさがいいですね。
擬古的な曲もありますし。
何といっても嬉しいのは「Sonata for guitar and harpsichord」です。
この楽器の組み合わせでもっとたくさん書いて欲しかったです。
しかし一般的には「メキシコ」という国が、純クラシック界ともギター界ともイマイチ相性?悪いのか、それで損してるような気がします。
弟がメキシコで働いてたことがあるので、「メキシコ最大の作曲家ポンセ」と言ったら、「へえ~~ッ!メキシコにも作曲家がいるのか!!?」と真面目に驚いていました。
どこの国だって作曲家はいるのに……
by REIKO (2012-12-01 14:22) 

Enrique

REIKOさん,コメントありがとうございます!
>ポンセ、好きです~♪
やっぱり,違いますね〜。さすがです。"Sonatina meridional"私,結構得意曲だったりします。終わり方とかラヴェルっぽかったりして。近現代のギター作曲家の中で一番好きですね。というのは,近現代曲は,無意味に難しかったりするんですが,ポンセはそれほど難しくなくて演奏効果上がります。かといって,ヴィラ=ロボスの様にギラギラしてなくて。Sonatina meridionalの第3楽章なんか,開放弦の鳴らしで結構行けたりします。ハープシコードとの曲を作ったところからも分かり通り,ほんと楽器の事を良く分かっていた人だろうなと思います。こちらの曲はこれから取り組みたいと思っているところです。
by Enrique (2012-12-01 21:35) 

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