SSブログ

「4分33秒」 [曲目]

現代作曲家ジョン・ケージが1952年に作曲した曲の通称。
名曲かどうかは知らないが,有名曲ではある。何分全く音を出さないので,曲といえるかどうかもあやしい。音楽のあり方自体に挑戦した問題作(もう死語)だ。

もとより休符は重要だ。しかしこれは音があって初めて意味があるので,この曲は長大な休符のみの曲かというとそうでもなく,楽譜(?)には単に,

1楽章
休み
2楽章
休み
3楽章
休み

とあるだけだという。どんな楽器でも演奏可能だが,オリジナルはピアノ曲らしい。いろいろな解釈があるだろうが,これは環境音を聞くための試みのようだ。偶然性の音楽とか20世紀に試みられた音楽の一つの究極のスタイルだ。
いい音も悪い音も,たくさんの音にあふれた現代。意図的に音を出さなくても,耳を澄ませば色々な音があることに気づく。
NHK-FMで「音の風景」という番組がある。音だけで映像が浮かんでくるような気がする。

環境音を聞いてみる。
今朝のうちの庭のでの環境音。雨が降っているし,鳥がいたり結構にぎやかだ。


4:33にあわせてみたが,1秒長くなったようだ。






nice!(8)  コメント(8) 
共通テーマ:音楽

nice! 8

コメント 8

yablinsky

偶然性の音楽とか、この曲とか、個人的にはどうしても音楽として認めたくありません。絵画でもキャンバスに赤がぬってあるだけとか、白に塗って、中に糸が埋めてあるだけとか絵画としては認めません。評論家に評価されようと私は私の価値観で判断するしかないと思っております。
by yablinsky (2010-07-05 06:32) 

Enrique

yablinskyさん,nice&コメントありがとうございます。
この時期は変なこと「やったもん勝ち」みたいなところがあったんでしょうね。
音楽には演奏以外の偶然性はつきものでしょうが,それだけを取り出した。不思議の国のアリスの笑いの無いウサギではなくて,ウサギの無い笑い。のようなものでしょうか?
今朝のFM放送の「きままにクラシック」の質問コーナーで,「演奏」していました。金曜日の再放送ですが,本放送聞いていなかったのでびっくりしました。CDがあるそうですね。
by Enrique (2010-07-05 08:36) 

Cecilia

お庭の音聴かせていただきました。
結構にぎやかですね~。
自然に囲まれた場所のような印象です。

この曲のことは以前みどりのこびとちゃんの記事で話題になっていました。
http://kfc-201.blog.so-net.ne.jp/2007-05-17
なるほどなあと思うのですが、私もyablinskyさんと同じく、音楽として認めるのは難しいです。
でも周りの音に耳を傾けるというのは大切だと思います。
by Cecilia (2010-07-05 09:14) 

Enrique

Ceciliaさん,nice&コメントありがとうございます。
紹介いただいたブログ,曲事典のようになっていますね。この曲?は話題になるのですね。話題騒然・賛否両論で作曲者は「してやったり」と思ったでしょうね。オリジナル?はコンサート・ホールでピアノ奏者がやるのが正しいらしいですが,大幅にアレンジ?しています。
休日の住宅街は静かなはずなのですが,かなり音にあふれていることに驚きます。録音機のレヴェルはギターを録音するときとほぼ同じです。
by Enrique (2010-07-05 09:59) 

koten

KYなコメントですみませんが(汗)、聴かせていただいて、「やっぱりEnriqueさんの録音機は性能良いなぁ」というのが最初の感想ですね。
 最初の鳥の鳴き声で感じたのは、実は昨日、家族で動物園に行って来たのですが、昼時に2羽の鳥が対位法(?)でしゃべくり合っていた風景を連想しました。そのとき「あれは絶対何からの言葉で何らかの情報を伝え合っているな」と確信しましたね。(あの鳥なんて名前だろう・・凄く色々な鳴き方をしたんですよ。)
 話しを戻しますと(汗)、「4分33秒」って、聴いている人はこの時間を意識しないでしょうけど、1秒でも違うと曲の題意(?)から外れるので、演奏(?)する側は結構大変ですよね(汗)。 なので、例えばストップウォッチで図りながらやったりしたら、演奏者(というか提供者)側はとても楽しめたものではない、故に自分の楽しさを聴衆に伝えることもできない、、、そんなのって「音楽なの?」っていう批判も言えそうだな、とふと思いました。
・・・この批判をかわしつつ奏者の負担を軽減するために、「大体4分30秒ちょっと」的なタイトルなら良かったのに、などと思ったりもしました(笑)
by koten (2010-07-05 21:10) 

Enrique

kotenさん,nice&コメントありがとうございます。
「4分33秒」は初演者の演奏時間が4分33秒だったので,そういう題名になった様です。あまりこの曲?に興味はありませんが,ちょっといたずらをしてみました。耳を澄ますと,けっこう色んな音に囲まれていることが分かります。kotenさんの追求する音律も,耳を澄ますと良く分るのですね。
by Enrique (2010-07-06 00:13) 

nyankome

>初演者の演奏時間が4分33秒だった
そういういわれがあったのですね。
この曲は有名?なので存在は知っていましたが、確かに環境音楽と言われると考えさせられるところがあります。
それでもやはり、やったもん勝ち!?
by nyankome (2010-07-06 01:48) 

Enrique

nyankomeさん,nice&コメントありがとうございます。
最初は題名も空白だったようで,徹底して人を食った作品ですね。突き詰めたらこうなりました。という感じでしょうか。この後0分00秒というのもあるようですが,もういい!という感じですね。一時期のクラシック音楽の衰退はこういった試みに走って聴衆から離れてしまったのが原因かもしれないです。自ら幕を引いた感じです。人間の本質なんて数百年でそう変わるものでもなし,必然的に古楽回帰になるのでしょうね。
by Enrique (2010-07-06 12:36) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。