サキソフォン・アンサンブルによるゴールドベルク [演奏批評]
かつてバッハの無伴奏チェロ組曲をサックス一本で演奏した清水靖晃さんが,今度は彼のアンサンブルグループ,サキソフォネッツと共に今度はゴールドベルクに挑戦した。NHK BS hiで,4/5早朝6:00からの「クラシック倶楽部 -清水靖晃&サキソフォネッツ 演奏会-」を視聴した。
さすがにこの曲はサックス一本というわけには行かなかったようだが,アンサンブルで余裕がある分,ていねいに原曲の音のひだをとりだすような演奏だ。各種サックスが5本にコントラバスが4本。9人のアンサンブルだ。余談ながら,かつてエトヴェシュが殆ど音の省略なしに(音域の関係でオクターブ移動はあったが)ギター独奏で全曲弾いたことはやはり画期的だった。
Henle版(鍵盤)のアリア エトヴェシュ編Chanterele版(ギター)のアリア
まるで,「音楽の捧げもの」や「フーガの技法」を先取りしたような,バロックともコンテンポラリともつかない雰囲気だ。
照明も,普通のクラシックのトップライトでなくて凝っている。一部演奏と同期させたりしている。服装も現代風。
通常のクラシックの照明とは違うおしゃれなもの
斬新な取り組みで面白かった。30変奏全てとは行かず2割方はしょられていた。余り間を空けたくない部分もあっただろうが,変奏ごとに入る拍手が気になった。
エトヴェシュの演奏を聴きに行ったことを思い出しました。
そのときは抜粋だったと記憶していますが。
楽譜も買いました。(^_^;)
by nyankome (2010-04-06 01:40)
nyankomeさんnice!&コメントありがとうございます。
エトベシュの全曲演奏のCDは衝撃でしたが,来日公演では分けて弾いたようです。演奏側も大変なら,聴衆も厳しいのかも知れませんが,やはり通しで聞きたいものです。
鍵盤ではさほど難しくない部分もあります。アリアをグールドの真似をして超ゆっくり弾いてみるのも楽しいです(変奏は絶対に真似出来ません)。
エトベシュ編の楽譜はギターで音の省略無しにきっちり弾けるようになっている精密なものですが,表紙がBWV998と間違っているのがご愛嬌です。
by Enrique (2010-04-06 10:25)