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NHKの音楽教室に関する思い出(ギター編1) [雑感]

ギターという楽器は押入れかどこかに,ころがっていることが多い。
しかしその楽器に興味を持って,手にしても,何をどう弾いたらいいか分からない。
ピアノは見よう見まねでもできるし,楽譜と鍵盤は一対一に対応している。
それに対しギターは,楽譜との対応が分かりにくい。コードネームがギターの楽譜だと思う人もいる。

nyankomeさんもコメントに書いておられたが,最初はたまたま家にあったギターを弾いたと,そういう人は案外多いのではないだろうか。自分の場合はピアノが身近にあっても,習うのは大変で独学は無理だと思えた。それに対しギターなら何とかいけると思ったのかもしれない。自分の部屋で好きなとき弾ける。据え置き型のピアノに対し,携帯型である。これも結構大きい。しかし,とっつきの良さと,あるレベルまでうまくなることとは全然関係ないということがその後よく分かった。そのため,一旦挫折して鍵盤に走ったのだった。

「ギターをひこう」の思い出にもどれば,芳志戸幹雄さんの時の前期だったと思うが,かなり上手な女性の生徒で,最初の「腕前ご披露」では,ヴィラ=ロボスの練習曲第11番を弾いた。はげしくヴィブラートをかける方だったが,それを見た芳志戸さん,「ヴィブラートはやめましょう」ということで,殆どノンヴィブラートにされてしまった。あれだけ上手なら,今なら,むしろヴィブラート奨励だと思うのだが,確かに力が入っているように見えたので,その弊害を気にされたのだろう。実際演奏はすっきりした。彼女はピアノをやっていたのだが,転居が多い為,ギターに転向したとのことだった。R.S.デラマーサのペテネーラなどのレッスンを受けていた。私は視聴開始から3年目だったが技術的にはまだ無理だった。

芳志戸さんの時の後半,芸大生(ただし専門は絵)だという,男性の生徒がいた。上級編でダウランドのガイヤルド(メランコリー,パイパー)などのレッスンを受けていた。そのときのテーマ曲だった芳志戸さんがメロディを弾く,アランフェス2楽章の伴奏をつとめていた。楽器は色の濃いラミレス。男性なのに長いブーツをはいたり,さすがにセンス抜群の生徒だった。芳志戸さんは,ガイヤルドのリズムなどを熱心に教授していた。芳志戸さん自身の演奏も,荘村さん以来続いていたミニミニコンサートで触れることが出来た。その硬質で鋭い音は,その前の,荘村さんとも,渡辺さんとも違う個性が感じられた。「ギタリストって,弾き方も音もずいぶん違うものだ」と独学3年目の少年は思った。

芳志戸さんの時の最大の収穫は,ダウランドだった。バッハ以前にも独特な音楽世界があり,そしてそれがギターの3カポで弾けるということで,視界が広がった気がした。この頃から現代ギターも買うようになっていたので,急激に「耳年増」になって行った。

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nyankome

この芳志戸さんのテキストは持っています。
それにしてもよく覚えていらっしゃいますね。
私はレッスンの中身はすっかり忘れています。(^_^;)
>バッハ以前にも独特な音楽世界があり
荘村さんや小原聖子さんのときにもそれは感じました。
by nyankome (2010-03-14 09:18) 

Enrique

>よく覚えて
音楽の情報に飢えていて必死に見ていたのでしょう。
>レッスンの中身はすっかり忘れています
nyankomeさんは新しい知識を吸収されて,どんどんリフレッシュされているのでしょう!
よく年寄りが,最近のことはすぐ忘れ,昔のことは良く覚えていることがあります。新しい知識を入れないといけませんね。私は最近楽器の練習も余りしていないのでアブナイです。。。書き出したついでなので,昔の記憶を少したどってみようと思います(役に立たないものが殆どですが)。


by Enrique (2010-03-14 10:09) 

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