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「気ままにクラシック」を聞いて妄想 [雑感]

2/22(19日の再放送)の気ままにクラシックは「公開収録版」だった。いつものことだがバタバタしながら部分的に聞いた。
古部賢一さんのオーボエ,松田理奈さんのバイオリン,そして寺嶋陸也さんのピアノ。

出がけと出勤途上にわずかに聞けたのみ。
古部さんのバッハ=グノーのアヴェ・マリアと松田さんのラフマニノフのヴォカリーズ。
聞きなれた曲で,その音色にも耳が行く。それぞれ色の違う宝石のような音だ。
オーボエの得意な調は知らないが,バッハ=グノーのアヴェ・マリアは原調どおりハ長調でやっているようだ。
松田理奈さんのバイオリンからは,私の12.7kHzのローパスフィルタのかかった耳でも,透き通るような美しい高調波(ハーモニクス)が聞こえてくる。ずっと聞いていたいところだが,無常にも職場に着く。今回はここで終わりだ。

いつも,特定時間帯にサンプリングしながら聞いているので,全貌を語ることは出来ない。

今回はこのバッハ=グノーのアヴェ・マリアについて。


バッハの平均律第一巻の第一番目のハ長調プレリュードを伴奏にして,グノーがメロディをつけたものだ。
この伴奏?は私の数少ないピアノレパートリーの一つ。
淡々としたアルペッジオに長いフレーズの,これしかないようなメロディがついている。
ハ長調プレリュードを単独で弾いても頭の中でこのメロディが鳴って困る(ことも無いが)。

私のピアノのレベルだと,平均律のへの字にもたどり着かない。その前にインヴェンション,シンフォニアと乗り越えないといけない山がある。私が2声のインヴェンションで長らく停車中に,上の娘があっという間に通過していった(余りやらずにドビッシー,ショパンに行ってしまったが)。私がギターを投げ出して時間をかけたとしても,特にシンフォニアは3声なので,これは大変だ。音が2声から3声で1.5倍の大変さではなくて,2乗くらい大変だ。片手で2声を作らないといけない。前に「フーガ形式」の解説で書いたが,3声あたりが一番にぎやかなのである。4声,5声とはいっても,同時におしゃべりしているのは,3声くらい。だから技術面でも,音楽面でも,これを乗り越えるのが,ひとつの関門なのだ。

その点,この平均律第一巻第一番目のハ長調プレリュードだけは,大変やさしい。パターンは一緒で和音だけが異なっていくので,まるでギターのアルペッジオ奏法だ。実際ギターでも弾く。ちなみに,第二巻もハ長調プレリュードから始まるが,これほどの平易さではない。まさしく上下巻のすべてのプレリュードとフーガのプレリュードであり,バッハからの贈り物だ。箱庭のようなバッハである。

対位法的な動きも無いので,これだけならば2声のインヴェンションより楽だ。なぜか,ソナチネ・アルバムⅠにもこの曲のみが入っていた。このプレリュードほどではないが,フーガにくらべると,どのプレリュードも比較的ひきやすい(ようだ)。きちんと勉強するには,シンフォニアをこなしてからのほうが良いのは山々だが,私のように技術と時間のない人間はこれをつまみ食いするという技に出る。1番では無い平均律のプレリュードをこっそり弾く,これはまるで子供のころ,床の間の羊羹をこっそり食べた味わいだ。

さて,バッハ=グノーのアヴェ・マリアは前見たフルートの楽譜ではヘ長調に移調されていたし,ギターではハ長調のほか,ニ長調でもよくやる。これは6弦をレに下げて,主音のバスとして使えるからだ。タルレガもニ長調で編曲している。しかし,伴奏の場合は独奏楽器や歌の調優先なので,移調したり,カポの使用や変調弦も検討しないといけない。

ピアノでは,このプレリュードそのものをハ長調からスタートして,ハ,嬰ハ,二,変ホ,ホ,へと半音階的に上がって,弾いてみるのはどうだろうか?いわば,これ一曲で平均律をやってみるのだ(あえて短調に変える必要はないだろう)。

ハ,ト,ニ,イ,ホ,ロ,嬰へ(変ト),,,などと調を5度回転してみたり,
ハ,二,ホ,へ,トと音階的に調を上がってみたり,

なお,この曲はすべてコードネームも付けられる。
移調奏の練習である。

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nyankome

以前歌と合わせていただくために編曲しかけたことがありますが、途中で放ったままに。(^_^;)
タレガの編曲もありましたか。
by nyankome (2010-02-23 19:52) 

Enrique

nyankomeさん,nice!&コメントありがとうございます。
ギターではニ長調にすると鍵盤と同じように弾けますが,伴奏といえ結構大変ですね。いろいろ編曲は出ているので参考にされれば楽だと思います。
by Enrique (2010-02-23 23:07) 

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