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弾く方と聞く方と [雑感]

娘のピアノ発表会,それから妻のチェンバロ発表会が終わった。いつもは,彼女らのが余裕で,私のが息も絶え絶えなのだが,今シーズンは形成逆転とまでは行かないまでも,いい勝負になった。どちらも緊張してダメだったというのだ。娘のほうは,彼氏が来たせいだという。リベンジで,個人的に聞かせるといっている。妻の方は,録音を聞いて,「うわー,ヘタクソ」と,のたうちまわっている。「割と良かったよ」と慰めても,「気休めはいらない」とあまり機嫌がよくない。
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正直なところ,チェンバロの演奏は,プロの演奏とそう大差無いように聞こえる。プロの演奏だって実際多少のミスや音のにごりもあるから,上々ではないかと思うのだが,ギターと違ってミスがわかりにくいのと,聞く方が曲を知らないというのが大きい。バッハやヘンデル,テレマン,クープラン,ラモーくらいまでの曲だと知っている曲もあるが,バード,ハーディング,モーリー,ブル,悪いけど全然知りません。ダウランドの曲などと似ているものも多いから,こちらは何となくその気分で聞いているだけだ。「うわー,先生のは上手だわ」と感嘆しているが,こちらには,多少いいかなくらいにしか聞こえない。これから言えることは,「聴衆の知らない曲はミスがわかりにくい」。もっと言えば,「上手下手がわかりにくい」という大原則があてはまるということである。
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さらに言えば,演奏の受け取り方はかなり個人差のあるものだ。「???な演奏だ」と思っても,「すばらしい演奏だ」と感動している人もいる。前にも触れたが,どんな演奏でも,良い点もあれば悪い点もある。好意的な聞き方をすれば,良い点ばかりフィルターして聞いているし,逆だとどんな完璧に近い演奏でも悪く感じてしまう。ミスの無い演奏だと,「ただきれいに弾けてるだけ」という評になってしまう。自分が弾いたことのある曲ならば,細かなミスも良くわかるが,だからといって厳しく見るばかりでもない。自分が苦手だった箇所がきれいに弾けていれば,当然プラス評価だし,別の箇所でミスがあっても,ヘタクソだとは思わず,うまくごまかしたなと思う。個人的な好みから言えば,「どうだうまいだろ」風の演奏はどうもいただけない。多少あがっているくらいのほうが曲に真摯に向き合っている感じがして好きだ。演奏後の良いコメントは,素直に受け取るのがよさそうだ。

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