フライシャーの語り(3) [雑感]
左手のみでシャコンヌを弾くレオン・フライシャー(NHK-TVより。同以下。)
ちなみに,彼が罹患したのは,ジストニアという病気だった。全身性のものもあるが,演奏家の場合,局所的に起こる。数年前村治佳織さんもやはり右手が動かなくなった。
この原因ははっきりしないらしいが,脳から筋肉への指令がうまく行かず,動かなかったり勝手に動いたりするらしい。
現在,治療法として以下のようなものがあるそうだが,いずれも賛否分かれるらしい。
ちなみにフライシャーは最初のボツリヌス毒素療法で効果が出たらしい。
ゆっくり動かすリハビリも効果的らしい。村治さんが比較的短期間で復帰できたことは不幸中の幸いだった。
音楽の神様は,天才奏者に人生と音楽について考える厳しい休暇を与えるのかもしれない,と思う。それにしても,フライシャーの35年の演奏ブランクは壮絶なものだが,同じ症状の演奏家に大きな希望を与えていることも確かなのだ。(おわり)
新年明けましておめでとうございます。カリフォルニアでは、今日が元旦です。日本式のおせち料理をいただきました。
レオン・フライシャーの記事、興味深く読ませていただきました。このような人がいるというのはどこかで聞いて知っていましたが、名前も顔も一致しませんでした。試しに調べてみると、このNHKの番組は見られませんでしたが、17分ぐらいの短編の英語でのドキュメンタリーがあり、左手でシャコンヌを弾いている映像や、右手の治療をしている映像、ピーボディで学生に教えている映像などがありました。
村治佳織さんが、この病気になったときは、本人もそうでしょうが、ギターファンも驚きました。さいわい、早く回復して本当によかったと私も思っています。
by やーさん (2010-01-02 09:25)
やーさん,新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
レオン・フライシャーは若い頃すばらしいピアニストだったらしいですが,何分片手になってしまったので,近年殆ど忘れ去られていたようです。妻がこの番組を指摘して,初めて知りました。こうして晩年になってから不死鳥のごとく復帰しくるというのは,すごいことです。
村治佳織さんの時も,本人も周りも随分無理し(させ)ていたのではないかと思います。以後,想像ですが,演奏もスケジュールも少し無理を避けたのではないかと思います。天才的奏者とは言え,生身の人間ですから。
by Enrique (2010-01-04 17:06)