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今日は一日○○三昧 [雑感]

何時からだろうか?NHK-FMで長期連休中に企画される特別番組である。5月の連休中のものはすでに記事に触れた。今回の連休では3日間にわたるが,はじめの2日間は「今日は一日浜松アーカイブス三昧」とあった。なんでも,NHKの浜松支局には34万枚のアナログレコードのアーカイブがあるそうで,これを2日間で聞き倒そうというものだ。1日目がクラシック,2日目が軽音楽(この言い方もアナログ的)編であった。

この「ざんまい」が始まると,我が家はいつも流れているFMが止まり,静かな休日となる。クラシックが存外少ないからである。今回はその1日目,貴重なクラシック三昧の21日月曜は,久々に出かけたため車の中で聞くこととなった。午後からは,SPレコード愛好家の方が蓄音機を持ち込んでかけておられた。SPレコードには音の力があるという。ご年配の方ならばセゴビアのレコードをSPで聞いたと言う人もおられるのではないだろうか。昔,生家にもSP盤はあったが,浪曲や流行歌の類で,クラシックはLPになってからだったと思う。今回はデ・ラ・マーサのアランフェス1楽章がオンエアされたようだが,残念ながら聞けなかった。

SPレコードは原理的に音の変換が少なく,良い装置でかければ大変音がよいと言っておられたが,司会者は,音楽家の方の取り組みも違うのではとまとめていた。なかなかSPレコードのよさはわからない。スクラッチ・ノイズがあり,帯域が狭いので,どうしても古臭い感じがする。しかし,言われて聞くと,高音は思った以上に良く出ているし,妙ななまなましさのようなものもある。マニアにはこたえられないのだろう。技術面はアコースティックそのものである。確かに現在のデジタル機器は,録音してから再生までの間に何段階もの変換部分がある(変換で音が劣化しないようにするのが技術の進歩なのだが,変換そのもので音がよくなる事は原理的にありえない)。LPレコードの時代,ダイレクト・カッティング盤と呼ばれる超高音質のレコードがあったが,SP盤はその多くがダイレクト・カッティングなのだろう。

車の中では,音楽内容まではなかなか聞けなかった。帰宅途上の夕方聞いたグールドのモーツァルト/トルコマーチが面白かった。ゆっくりとした明晰な弾鍵,確信に満ちたアーティキュレーション。好き嫌いあるだろうが,妙に説得力のある演奏である。どの取り組みもそうだが,曲を崩すのではなく再構築しようとしているところに創造性を感じる。

2日目の軽音楽編は,静かな日となってしまったが,買い物の帰りやはり車の中で聞いた軽音楽編で,マスタリングエンジニアの小鉄徹さんという方が出ていた。マスタリング(原版を作り上げるまで)には,色々な試行錯誤があるようであった。具体的処理は良くわからなかった(イコライジングや圧縮伸張処理などなのだろう)が,まったく音が違うという。70年代ころまでの国内版はマニュアル的にマスター作成をしていたが,輸入版と全く音が異なったそうだ。特にポピュラー音楽で顕著なのだろうが,電気音響である限り,クラシック音楽についてもいえる事なのだろう。なお,3日目は,「沖縄ポップス」三昧だった。

タグ:NHK-FM 三昧
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