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バイオリンの音に関する広告記事 [雑感]

土曜の朝は,久しぶりに新聞をくまなく読んだが,ちょっと気になる広告があった。

ロームと言う電子部品メーカーが出している広告で,バイオリンの音の話がある。堅いイメージのハードウェア・コンポーネント・メーカが,芸術文化面を支援する。大変結構なことだ。ロームミュージックファンデーションは,演奏家等を支援しているようだ。その取り組み,このような文化的広告を打つ心意気に感服する。

立派な文化事業にミソをつける気はないが,一点気になるところがある。バイオリンのチューニングを平均律の音高で表示しているところである。低い方から196Hz,293.7Hz,440Hz,659.3Hzとある。バイオリンは5度で合わせるので,195.6Hz,293.3Hz,440Hz,660Hzのはずである。まさか,バイオリンもチューナーで合わせるんじゃないでしょ?と余計な心配をしてしまう。もちろん,5度音程は,平均律の純正との差が最も少なく,2セント程度の違いなので,実用的には全く問題ないだろう。監修の吉川氏は楽器音響の研究者,四方氏はバイオリンの演奏者。鉄壁の布陣のはず。

ただこれは,考え方の問題である。
平均律音階にもとづく音の周波数を3箇所,かつ最低音のG線の音程を入れるとその数値が4箇所も現れる。バイオリン全般の一般向けの説明に,平均律で出した各弦の音の周波数の数値が何箇所も必要だろうか?「クラシック・『サイエンス』」ということで,数値を強調したかったのだろうか?音域に関する細かい但し書き(ピッチの件)はあるのに,肝心の音程に関してはこれに固定と言うような書き方は少し気になる。せめて,「この周波数は平均律音階で算出しました」と一行あれば,この文化的広告,もっと感心できたと思う。

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