うつの音楽 [メンタル]
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中年になると,心身共に変化してくるせいか,「うつ」の期間がある。若いときからそういう性向はあったのかもしれない。責任が重く,忙しく,ストレスが溜まってくると,そうなるようだ。急性ならば胃潰瘍などにもなるし,最悪くも膜下である。私の場合,初期には洞性頻脈が現れた。
現在は割と元気なのだが,うつ状態が数年にわたり続いた。もうギリギリだなと思い,医者に連絡し予約を取ったのだが,仕事で抜けられず,ごまかしながら何とか少しづつ改善した。私の場合結果的には軽症だったのだろうが,もしそういう方がおられたら,何をさておいても軽度のうちに専門医やカウンセリングを受診し早期改善を願いたい。殆ど国民病。まっとうな人ならば必ずかかる様な病である。むしろデタラメな人は大丈夫なのだろう。私の場合も,いい加減なところが幸いしたのかもしれない。もともとプラス思考の人間ではないが,こういう時期は,特に何でもかんでもネガティブにネガティブに考えるものである。
モンポウの「コンポステラ組曲」に取り組んでいたとき,かなりひどかった。この曲をやったから悪化したのか,それともその時の気分がこの曲に向かわせたのかはわからない。もう十年以上前だがNHK-FMで熊本マリさんが「おしゃべりクラシック」をやっていた頃,ブリームの演奏でこの曲を,「眠くなる音楽」として紹介されていた。琴の調べの様なエキゾチックなプレリュードはお目目ぱっちりだが,第2曲コラールから第4曲レチタティーボにかけて,鎮静作用抜群である。眠りかけていたところで第5曲祈りのような歌が現れて涙が出る。終曲ムニエイラはにぎやかだが,陽気な踊りではない。
音楽療法もあるくらいだから,曲目で気分を変えてみるのもよいのかもしれない。しかしいまだ,アルベニスよりもグラナードス,ドビュッシーよりもラヴェルと,やたら元気な曲より少し翳った曲が好きなのである。
左手指先を痛めたとのことでしたが、そのためにギターが弾けないことも気分が落ち込まれている原因の1つででしょうか。傷の回復とともに気分も回復されますことを願っています。
by やーさん (2009-07-01 06:42)
ご心配おかけしたようです。指先の傷は回復していますが,1~2週間はダメのようです。今はそんなに落ち込んでいませんが,日本では梅雨は本格化しています。いつもチェックいただくことに感謝します。
by Enrique (2009-07-01 08:01)
確かに、仰るとおりだと思います。日本人は生真面目すぎると思います。それが、精神的な遊びというか、余裕が無くなってしまう原因でもあると思います。また、そういうときは心が力んでいるように思えますし、それが体の力みに繋がり、演奏にも影響してしまいます。大体、そういうときには呼吸も浅くなっています。ラテン民族のように、いつも楽観的でいたいものですが、なかなか難しいものですね。適当に、気楽にいきましょう。
by ファン (2009-07-01 18:22)
そうですね,ラテン気質を見習えば,何もかもいっぺんに元気になる気がします。余裕がないと,呼吸が息苦しくなって,そのことに気づくことすらできなくなっていると言う状態です。まったく的確なご指摘,ありがとうございます。
by Enrique (2009-07-01 21:41)