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この一曲が弾ければ [雑感]

warholizer56b64d91230d2e5813849575db1e65d9f52a139b.jpgこういう意見を時々聞く。ギター曲だったら,アルハンブラとか,カヴァティーナとか,しばらく前ならば,禁じられた遊び(愛のロマンス),最近ならサンバースト,タンゴアンスカイとか。もう少し凝った曲をあげる人もいるかも知れない。ピアノ曲だったら,ショパンのノクターンの有名なのとか,ベートーベンの月光ソナタの1楽章とか,しばらく前ならば,エリーゼのためにとか,乙女の祈りとか。

その楽器をある程度やっている人は決してそうは言わない。やっていない人が願望を言うのである。この気持ちを分析すれば,「神様が一曲だけならば素人のこの自分にもプレゼントをしてくれるかも知れない。」というロマンチスト的発想である。ギター曲ならギター曲に興味を持ってくれることは有難いし,「この曲を弾きたい」というのが,始めるきっかけ,ないしは続けるモチベーションになったという人は多いだろうから,この気持ちは大事にしたいが,ちょっと極端,偏愛的ではある。演奏にはそういう要素も必要だろうが,これが非現実的であることは経験者なら分かるはずである。「この一曲だけ」弾くと言うのは,むしろかなり難しい努力だろう。「この一曲が弾けないから,やーめた。」というのでは悲しい。もっとやさしくて初心者が目標と出来る美しい曲は他にもある。プロの教師はこの辺をうまく導いてもらいたい。

長年,言い古されてきたことだが,ギターはコード奏法などですぐにサマになるせいで,ピアノやバイオリンほどしっかりとした基礎が無くても出来るという誤認識が今だに続いているようだ。手軽さはギターの長所の一つだが,他の楽器同様,名曲がすぐ弾けるようになる道理はない。むしろクラシックギターは技術的には難しい楽器の一つ。幸か不幸か,これらの曲がちゃんと弾ければ,ほかの沢山の曲がいくら弾きたくなくても,弾ける技術は身につくはずです。はい。

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