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弾きやすいネック形状 [演奏技術]

バイオリンほどではないにしろ,クラシックギターも外見寸法的にはほとんど変化が無い。しかしネックの断面形状は結構違う。これも当然弾きやすさに影響する。多くの楽器にみられる半円形と,ラミレスに代表される台形状がある。かつての国産楽器(私が持っているものも)はラミレスのネックに習ったためか,台形状というか,かなり角ばった形状である。

ネック側の形状とともに,指板の形状も弾きやすさにきく。現在はわずかにカマボコ型になったものが多いのではないだろうか。一方私のベラスケスもそうだが,かつての楽器は指板がまっ平らのものが多かったようである。弾き方と慣れにもよるが,カマボコ型になれると,まっ平らは弾きにくい。まっ平らに慣れていても,カマボコ型はすんなり行ける感じ。

ネック形状に戻れば,半円形と角ばったもの,弾きやすさはネックの握り方にもよる。かつては親指がネックの上から出るなどと言うのは,悪い弾き方の典型のように言われたものだが,これはケースバイケースだ。むしろ不必要に左手を指板側に突き出すと,左手に余分なストレスがかかり押弦が不確実になる。指板側の押さえに伴い,自然な親指の位置があるのだろう。逆に親指の位置により,指板側の運指が決まるケースもあろう。

プロでも人により結構左手の技術が異なる。断面形状の弾きやすさは左手の技術の違い(レベルと言うわけでなく個性)にもよるが,多分に慣れである。角型に慣れてから丸型に持ち替えると,取っ掛かりが無く,心もとない感じがするし,逆に丸型に慣れてから角型を握るとごつくひっかかる感じがする。ギター職人の多くは親方からの踏襲なのだろうが,櫻井正毅氏は幾多の楽器のネック形状を研究し,氏の作品の弾きやすさは天下一品。


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