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楽器の調整について(3) [楽器音響]

楽器の調整も嵩じてくると,色々やってしまう。ブリッジやナットなどは,自分でやっても,オリジナルを残しておけば問題ないが,楽器本体に関わる調整は,専門家に任せるべきである。やってはならない事例として,フレット交換がある。磨り減ってきたり場合は部分的に打ち直すことも多いが,自分の場合押さえに力を入れなくなってきたし,はげしくチョーキングビブラートを掛けたりもしないので,摩耗での交換は一生必要ないかなと思っている。ただ,ネック反りの微調整もフレット交換の重要な役目だし,「テクノロジーとギター」でも書いたが,フレットの高さ・太さ・硬さは弾きやすさにかなりきく。柔らかい方が弦の止まりが良く,弾きやすいような気がするが当然摩耗は早くなる。素材は現在殆どが銅ニッケル合金だが,硬さは熱処理で調整できる。

フレット高については,ギターのフレットは低めについているように見えて,実際には琵琶のように弦はフレット上を浮いている訳だが,ぎりぎりに低いと,よほど指頭の硬い人でない限り,指の力が指板側に逃げる。だから押弦に余分な力が必要になり弾きにくい。高めの方が弾きやすい。フレット断面は半円形であるから,高いと幅も太くなる。もしとんがっていたら,引っかかって弾きにくいだろう。あまりに幅も太いとエレキベースのようにごつい感じになるので見た目もよくないだろう。ポルタメント,グリッサンドのかかり具合にもきいてくるはずだ。

フレット交換は,12フレットまではならば工作に自信のある人ならば素人でもやってやれないことは無いが,それ以上は危険だ。エレキなどと違って,クラシックギターは響胴が弱いから,ボディ側のフレット交換は,響胴内にしっかりとしたつっかい冶具を入れ,細心の注意を払って打ち込まないと楽器を壊す。一本二千円くらい手間賃で,塗装などよりも金額が安く納期も短いから,自らが専門家という場合以外は専門家に任せるのが絶対に良い。自分で楽器を製作するような人ならば,フレットやすりやボディー内のつっかい冶具等も所持しているはずだから何の問題もないだろう。私は定年後の楽しみの一つとして取っている。


タグ:フレット
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