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質問力もさることながら [雑感]

そう書いている書籍を読んでいないので,質問力なるものの定義は知りませんが,そもそも質問の有無以前の問題の様な気がしてきました。

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例えば,報道を賑わしたジャニーズ事務所の問題。
NHKの報道ぶりをみても,日本人の「性的加害への認識の低さ」とか「無関心」などと矮小化しようとしているように感じます。百歩譲って,その矮小化した問題だとしても,張本人の存命中はもちろん,没後何年も報道を控えたり忖度しまくった態度への反省はあまり見られません。BBCの報道などによって問題が顕在化しなければ,頬かむりのつもりだったのでしょう。しばらく前まではもう少し骨があった様に感じるのは当方だけでしょうか?


NHKの件は別に取り上げるとして,ここでは放送界報道界に加え世の中の一般論として指摘しておきます。皆さんは我々の社会が抱える本質的な問題に本当に気づいていないのか,気づかないふりをしているのか。さらに,この手の事象を性的加害問題にのみ矮小化して,今後その事には過剰反応しても,おおもとの体質が変らなければ,手を変え品を変えこの手の問題は繰り返されると思います。


大物に忖度するという問題はあらゆる場所に存在します。
会社内ではワンマン社長や同族社長が威張っています。アホな事を言っても,周りは気を使って笑いもしません。当方も経験がありますが,メーカーに就職したての頃,社長の息子が如何にナンセンスな事を言っているかを洒脱に指摘しても,「シーン」と妙な空気になってしまいました。後からは誰彼なく「あれ面白かったよ。」などと言ってくれましたが,ではなぜその時シーンと沈黙したのでしょう?


同じような現象をあちこちで見ます。触れてはならないらしい,タブーがあちこちに存在するようです。
政治と宗教の問題にしても,何十年も前からの問題なのに,大変な事件が起こってからようやく顕在化しました。むしろ,大変な事件でも起こらないと決して顕在化しないブラックホールの様な闇が我々の社会にあるのでしょう。大変な事件が起こって,その原因は誰が見ても明らかなのに,それに蓋をしようとする人たちさえいました。


弱そうな犬は寄ってたかって叩くが,強そうなものには決して盾突かない。醜悪な態度ですが,力のない庶民が生活するためには仕方のない面もあるでしょう。しかし,第四の権力を持っていると言われる報道機関。「ペンは剣よりも強し」。むしろそれは報道機関に問われるプロフェッショナリズムでしょう。一般庶民よりもはるかに強大な権力を持ってながら,権力に盾突かず忖度する態度は醜悪な上,職場放棄です。


権力者の存命中は忖度して従っていたが,死後に戻す事例は枚挙に暇がありません。
首都にある公立大学が名称を元に戻しました。拙い名称だったからでしょう。しかし,命名した権力者が存命中はそれが出来なかった。ジャニーズ事務所問題と同じ臭気です。


教員任期制が廃止されました。
全く無意味無用な研修を義務付けて現場の混乱を招いたが,やはり権力者が存命中は廃止は難しかった。


上から下まで,こういう問題山積です。
さてさて,クラシカルギターとはすっかりご無沙汰(練習はしています!)ですが,狭い狭いクラシカルギター界ではそういう問題はないでしょうか?

かつてはセゴビア御大の例がありました。
現在のこの日本ではないでしょうか?
無くはないですね!
狭い世界ではより顕著かも知れません。


権力者の顔色伺う事を止めて,勇敢な告発者となる事,せめてはそれを支持する賢い大衆になりたいものです。そうすれば,世の中絶対に良くなります。
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U3

40に届かぬ38歳で部長となり、社長と直に接することも多くなったある日、副社長の件でその社長から直々に相談がありました。同族企業であったその会社の副社長は、社長の弟でしかも無能と噂される人物です。
私はその頃、どういう訳か有能と見做されていましたので、しかも私が書いた稟議書はすんなり通って決済されるので、数多の部署から稟議書をどう出せば会社から決裁が下りるのか、度々相談を受けました。
彼らが嘆くのも道理です。決済がなかなか降りない理由を私は経験的に知っていました、決裁のボトルネックになっていたのはまさにその副社長だったのです。
そころで社長から相談を受けたのは、「副社長は人望がない。仕事も穴ばかり開けてで困っている。いったいどうしたら良いか」という、ハッキリ言って愚痴話でした。
言い難いと一度は辞退しましたが、それでも私の考えを聞かせてくれとのこと。
それで私は端的に申し上げました。
「泣いて馬謖は切れないのでしょうか。それが最善策だと思います。ご検討下さい」
私はその二ヶ月後外に出され、降格されました(^0^))☆爆笑☆((^Q^)v
私は社長が一代で会社を築きそれ故にワンマンであることをすっかり忘れていたのです。
考えて見ればこの会社の経営陣は、すべてがすべて社長に忖度し、揉み手をするような役員ばかりだったのです。
それこそ社長がソファーに座って煙草を咥えれば、脇からダンヒルのライターに火をつけた常務や平取が、床に膝を付き、すり寄ってくるというような、実に漫画チックな信じられない会社でした。
二年後私はその会社を辞めました。以来企業に所属することはなく、フリーランスに身をやつしてここまで来ました。
後悔はありません。
by U3 (2023-09-11 22:05) 

アヨアン・イゴカー

報道機関も多くのジャーナリストたちも、自分たちの存在意義をしっかりと認識して欲しいものです。経営者、上層部、上司たちは利益優先、あるいは自身の保身のために、政治家やスポンサーのいいなりになってしまっているのでしょうが、それでも真のジャーナリストならば本来のジャーナリズムに誇りと自信と責任感をもって、どのような障碍があっても事実を報道するよう努力しなければ・・・腹立たしいことばかりです。
by アヨアン・イゴカー (2023-09-11 23:06) 

Enrique

U3さん,
その手の事を経験すると,「これは信じられない漫画か!?」と思うわけですが,驚くほどあちこちでそれは見られます。会社経営よりも無能経営者を活かす事にエネルギーを注いだのでは,よほど甘い業界でも上手くいくはずがありません。しかし残念なことに会社を潰さないと分からない。かつての大阪商人は,無能な後継がいると花柳界などで遊ばせておいて,決して帳簿には触れさせさせなかったと言います。ビジネスならば,顧客からそっぽを向かれたり,会社が潰れる事で結果ははっきりしますが,そうでない分野だと厄介です。

by Enrique (2023-09-12 06:10) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,
特有構造の組織の中では,たまたま骨のある人がいても飛び出さざるを得ないのでしょう。
報道界もまた特有で特殊な構造なのでしょう。そう言う中でうまく立ち回る事に能力が浪費されたのでは,活力が生まれるわけがありません。
そういう構造は,元を辿れば個々人の意識から発生しているはずなので,それを直していかないといけませんが,やはり黒船の様な外圧がないとダメなのでしょうか。
by Enrique (2023-09-12 06:30) 

U3

●●ブログでも忖度やジャニーズバッシング的風潮が跋扈していますね。
つくづく嫌になります。

私は『皆の意表を突く男』ですが、今度こそ記事をお開きにします。
最新そして当面は最後になる記事を本日午前0時に公開しました。
よしなに。
by U3 (2023-09-14 12:11) 

Enrique

U3さん,
当方も,それ自体に触れるのも気が引けたのですが実はもっと大きな問題があるよということを言いたかったのですね。大変な問題には沈黙して,勝負がついてから大騒ぎして弱いものを叩く。情けない事です。
by Enrique (2023-09-15 09:06) 

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