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演奏の基礎~その3~ [演奏技術]

当方なりの演奏の基礎について考えています。3回目になります。

前回は,レガート奏法についてでした。

それだけでも結構難しい事に気づいたと思いますが,このような入門編の技術課題ですと,「ポンポンポンポン!」とやって,「はいこれで良いでしょ!」となってしまいかねません。「何をまだるっこい事を言ってる?」と思うかもしれませんが,この事は何十年やっていても難しく,そして実際の曲になってしまうと案外気が付かないものです。

レガート奏法は大丈夫でしょうか?音の消えている時間を最短化して弾けているものと仮定します。その上で,これでも一応楽譜になっています。ただ音を4つづつ均等に鳴らせばよいと言うものではありません。音楽的に弾く事です。音楽的な抑揚以前に,拍節を感じることが重要です。

むしろ,こういうごく基本的な事は,単純な課題でしっかり身につけなければいけないのです。均等に鳴らす事も難しいわけですが,機械ではありませんので,必ずしもその必要もありません。むしろ,音の重みの差を良く感じて弾く事が重要です。ごく基本事項ですが,この事が身についている人の演奏は,たとえ初級者であっても心地よいものですが,永年やっている人でも,気まぐれなムラでは聴いていられなくなります。

音の重みとは,4拍子なら,
「イチ,ニー,サン,シー」「ニー,ニー,サン,シー」です。

この,「拍子をとる」と言うごく基本的な事が,身についていない演奏がシロートには結構あります。「楽譜通り弾いているよ」と言っても,拍子感のない,いわば1拍子になっている演奏が時々あります。

そうならないためには,身体にリズムやパルスを感じとる事です。
ポピュラー音楽では,ビートを感じたり,ドラムスで強制的にリズムに乗せられますが,クラシック音楽ではテンポルバートで揺れたり,終わりにritを掛けたりするものだから,却って重視されない事があるのでしょう。

クラシックギターでは,技術が難しいため弾く事に精一杯になって,拍子を感じると言うごく基本的な事がおろそかになりがちです。まずは拍子感が重要で,フレージングやテンポルバートはその後なのですが,前後関係が逆転していることもままあるものです。

そのへん,教室の指導者は技術の易しい合奏などを用いて改善を図る事になるのでしょう。

むしろ単調なリズムではなく,拍の重みが重要です。小中学校の音楽の授業で習ったこれです。

四拍子なら,一拍目は,ストンと落ちるイメージ,二,サンで横に大きく振れ,シで出発点に登るイメージです。音楽の基本的な鼓動はこれです。

むろん他の拍や特有のダンスでは,アクセントとなる点が変わってきたりもしますが,まずはこの鼓動の無い音楽的抑揚はあり得ません。これは五線譜では書ききれないわけで,Cとか4分の4とあれば,これはまず常識事項です。そして,例えば4拍子でも4つの音は均等ではありえません。当然ストンと落ちる一拍目が強く,四拍目から一拍目は上り詰めてストンと落ちるイメージです。シンコーぺーションやヘミオラでない限り,まずはこれが基本です。

しっかり拍を感じながら,これを弾いてみるのは,けっこう良い練習になると思います。やはり開放弦だけで,右手のみでの練習となります。やはり,音の途切れをミニマイズすることが重要です。単音では,imimと言った指替えが出来ますが,和音ではそれが出来ないので,多少難易度は上がると思います。
和音の連結-1のコピー.png
和音をレガートに。


今回の骨子:和音が連続する際にも,プランティング(弾く前の弦へのセット動作)により音が消える時間を最少化することが技術的な基本。またしっかりと拍子を感じて弾くことが演奏の基本である。
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U3

お話が専門的でなかなかコメントしにくい私です( ̄∇ ̄)
我が儘は承知ですが、もう少し専門外の人でも分かる箇所(内容)を入れて頂けると助かります。

ところで拙ブログで、私らしからぬアニメの聖地を訪ねた記事をアップしました。よろしければご覧になって下さい。
by U3 (2022-12-09 21:38) 

Enrique

U3さん,
>話が専門的
そうでしたか。むしろクラシックギターの人には右手だけで拍子をとる話なので,「何をバカなこと書いているか」と思われそうに思ったのですが,素人にはそこそこ弾けていても,このような基本的なことが押さえられていない演奏がままあるので敢えて書いてみました。骨子は,
・技術的には,弦を弾く前の音が消える時間を最小化したいこと。
・しっかりと拍子を感じた演奏をしてもらいたいこと。
です。
御ブログ拝見します。
by Enrique (2022-12-10 05:31) 

U3

そうでしたか。(楽譜に対しての)苦手意識が先行して、理解する努力を惜しんでしまった感があり、反省しております。
by U3 (2022-12-19 06:07) 

Enrique

U3さん,
クラギを弾く方向けを想定して書きましたので,無理もないと思います。五線譜には苦手意識持つ方が少なくないので,記事には工夫が必要かもしれません。
by Enrique (2022-12-19 07:19) 

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