演奏の基礎~その1~ [演奏技術]
当方なりの演奏の基礎について考えてみたいと思います。
芥川也寸志の書籍の冒頭ですが,まずは「静寂」です*。
楽器の音色にトコトンこだわる人がいます。無論美しい音は大事ですが,その基礎はまず無音でしょう。真っ白いキャンパスにこそ,美しい色も微妙なグラデーションも表現出来るはずです。
まずは,静寂を聴ける耳を持ち,そこに音は並べられて行くことになります。
①弦開放弦で「ぽーん」と音をひとつ弾いてみます。しっかりとしたアルアイレでも,アポヤンドでも構いません。
音が一つでは音楽になりませんが,音色のチェックにはなります。
きれいな音が出て,余韻までしっかりと聴き取れたでしょうか?発音時に雑音が出ていないでしょうか?他の弦への共鳴もよく聴き分けます。実際の演奏では,そのような音の素材を組み合わせていくことになります。何のかんの言っても,音の扱いの丁寧さが身についている人が,上手い人です。
一つの音がきれいに出せなければ,複雑に絡み合った楽曲が綺麗に弾けるわけがないのですが,音が沢山あれば誤魔化せる面はあります。むろん,楽器はよく調整されて,弾きやすくなっていることが必須です。注意深く弾いても雑音が出るような状態ではいけません。楽器の良しあしはそれ以降の問題です。
吹奏楽の人だと,「音を出せる=その楽器が出来る」と言う感覚もある様です。それだけ音を出すこと自体に障壁があり,音さえ出れば後は練習次第で何とかというところなのでしょう。むろん,段階によりけりで入門レベルの話です。
ギターでは音じたいは簡単に出ます。特に和音を出すのがラクと言う稀有な楽器です。コードを押さえてジャンジャンとやれば格好がついてしまいます。もちろんそれだけでは音楽になりませんが,歌の伴奏などには好適です。
和音,重音が楽に出せて,単音のほうが却って難しいという,ある意味不思議な楽器です。いずれにしても,クラシックギターでは単音をきれいに出す事が先決です。まずは単音が魅力的な音になっていないと,その音で組み立てられる音楽が魅力的になるとは思えません**。
今回の骨子:まずは無音状態と一音の音色に聞き耳を立ててみよう。きれいな雑音のない音になっているか?クラシックギターは魅力的な楽音が基本。
*現代音楽の作曲家仲間のジョン・ケージの「4:33」が頭にあったものと思います。楽器音を出さなくても,完全な無音状態はありません。いかに我々が様々な環境音に囲まれて暮らしているかを考えさせる音楽です。一方,ほぼ音のない無響室にしばらく居ると気持ち悪くなってきます。現実問題としては,どの程度の音の無さを無音とするかは程度問題でもあります。
**音楽の3要素は,「リズム・メロディ・ハーモニー」です。そこに音色はありません。「音色だけ」の音楽はありえず,音色にこだわってそれらが音楽の3要素がないがしろになってしまっては元も子もありません。音色は音楽の素材として重要ということです。
芥川也寸志の書籍の冒頭ですが,まずは「静寂」です*。
楽器の音色にトコトンこだわる人がいます。無論美しい音は大事ですが,その基礎はまず無音でしょう。真っ白いキャンパスにこそ,美しい色も微妙なグラデーションも表現出来るはずです。
まずは,静寂を聴ける耳を持ち,そこに音は並べられて行くことになります。
①弦開放弦で「ぽーん」と音をひとつ弾いてみます。しっかりとしたアルアイレでも,アポヤンドでも構いません。
音が一つでは音楽になりませんが,音色のチェックにはなります。
きれいな音が出て,余韻までしっかりと聴き取れたでしょうか?発音時に雑音が出ていないでしょうか?他の弦への共鳴もよく聴き分けます。実際の演奏では,そのような音の素材を組み合わせていくことになります。何のかんの言っても,音の扱いの丁寧さが身についている人が,上手い人です。
一つの音がきれいに出せなければ,複雑に絡み合った楽曲が綺麗に弾けるわけがないのですが,音が沢山あれば誤魔化せる面はあります。むろん,楽器はよく調整されて,弾きやすくなっていることが必須です。注意深く弾いても雑音が出るような状態ではいけません。楽器の良しあしはそれ以降の問題です。
吹奏楽の人だと,「音を出せる=その楽器が出来る」と言う感覚もある様です。それだけ音を出すこと自体に障壁があり,音さえ出れば後は練習次第で何とかというところなのでしょう。むろん,段階によりけりで入門レベルの話です。
ギターでは音じたいは簡単に出ます。特に和音を出すのがラクと言う稀有な楽器です。コードを押さえてジャンジャンとやれば格好がついてしまいます。もちろんそれだけでは音楽になりませんが,歌の伴奏などには好適です。
和音,重音が楽に出せて,単音のほうが却って難しいという,ある意味不思議な楽器です。いずれにしても,クラシックギターでは単音をきれいに出す事が先決です。まずは単音が魅力的な音になっていないと,その音で組み立てられる音楽が魅力的になるとは思えません**。
今回の骨子:まずは無音状態と一音の音色に聞き耳を立ててみよう。きれいな雑音のない音になっているか?クラシックギターは魅力的な楽音が基本。
*現代音楽の作曲家仲間のジョン・ケージの「4:33」が頭にあったものと思います。楽器音を出さなくても,完全な無音状態はありません。いかに我々が様々な環境音に囲まれて暮らしているかを考えさせる音楽です。一方,ほぼ音のない無響室にしばらく居ると気持ち悪くなってきます。現実問題としては,どの程度の音の無さを無音とするかは程度問題でもあります。
**音楽の3要素は,「リズム・メロディ・ハーモニー」です。そこに音色はありません。「音色だけ」の音楽はありえず,音色にこだわってそれらが音楽の3要素がないがしろになってしまっては元も子もありません。音色は音楽の素材として重要ということです。
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