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「受験生ブルース」の一節から [雑感]

〓人よ一夜に人見頃
富士山麓に鸚鵡鳴く
サインコサイン何になる?

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昔こんな歌の一節がありました。
フォーク・ブームの頃だったでしょうか。

今よりも受験戦争が激しかったころの若者の素直な心情を歌ったものでしょうが,平方根や三角比もムダだという歌詞は,「微積」がいらないと言うよりも,さらに突っ込んでいました。確かに世の中にはそれを使わない人も多そうですが,その辺はべつに受験だけではなく,大工,木こり,その他の職人でも重要な知識ではあるとは思います。


今なら電卓やスマホがあれば,別に語呂合わせで覚える必要もないですし,8桁も9桁も覚えておく必要もありません。せいぜい「人よ一夜」,「人並みに」くらいで十分で,概算値が頭にあるだけで十分でしょう。ただ,ルート記号を見ただけで拒絶反応を示す人がいます。むしろ,沢山沢山の漢字やら英単語やらを覚えたのですから,そんな記号の一つや二つ良いではないかとも思いますが,ましてや,微分記号や積分記号などは,嫌な方にとっては「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」状態なのでしょう。

和を表すΣ記号も評判悪く,一時期高校数学から追放されていました。表示の簡約化の為に使われるだけなのですが,無用に嫌われます。行列表示などもそうでしょう。しかし,これらは万国共通の記号ですから,特定の言語を覚えるよりもずっとオールマイティで強力に役に立つと思います。音楽の五線譜などもそうです。言葉が通じなくても,音楽で通じ合えます。その万国共通文字が楽譜です。


さて冒頭の歌の一節,続く歌詞が,
〓おいらにゃおいらの夢がある。
と言うものでした。

きっとルートや三角比とは無縁の理想郷の夢を描いたのでしょう。むろん若者特有の考え方ではあります。当方は,「おいら」ときくと,オイラーを思い出してしまいますが,きっとおいらは変わり者なのでしょう。
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八犬伝

「受験生ブルース」懐かしいですね。
by 八犬伝 (2022-12-02 20:06) 

Enrique

八犬伝さん,
「そういえばこんな歌詞あったなぁ」と思い出しました。
by Enrique (2022-12-04 06:56) 

kazg

「やや複雑な因数分解」のあたりですっかりつまづき、数学教師の声を聞いただけで怖気立ち、平静な思考すら困難になるような、「生理的」文系人間でしたから、サインコサインはもとより、級数だの微積だの極力避けて通りたい青春時代でした。「受験生ブルース」のフレーズは、無条件に共感できました。
逆に、そのことは棚に上げて、「古文・漢文など無駄、古典文法なんになる?」などと断じられますと、ちょっと待ってと抗弁したくなるのは身勝手というものですが・・・。
学校知・受験知が絶対化され、理解や納得を度外視して闇雲な棒暗記を強いたり、わかる喜び・感動とは無縁の忍苦をおしつけられる歪んだ学校教育が、あるべき知を遠ざけているのかも知れませんね。

by kazg (2022-12-05 09:48) 

Enrique

kazgさん,当方も複雑な因数分解とかダメですね。
しかし,あまり本質的でない難しさでヤラレテいるところがあります。
どうしても分野ごとに,やや難しいことをやってしまう嫌いがあります。「この位出来ないと先に進めない」と。むろん基礎が出来ていないと上に積めない面はありますが,私は複雑な因数分解ができなくても,偏微分や重積分は分かりました。更に抽象度を高めますと,初等数学はあまり関係なくなります。それなのに,小学校以降,場所場所でふるい落とされていくのはもったいない事だと思います。結果として理系が少なくなって少数派になる。
失礼ながら,受験生ブルースの歌詞は「高校受験を歌っているのかな?」と思ったら,大学受験の様でしたので,文系(数学嫌い)の人にしたらそんなものかなというのが分かる歌詞でもあります(ルートは現在も中学で習いますし,比としてのサインコサインもかつては中学の内容でした)。
by Enrique (2022-12-05 10:56) 

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