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送配電に関して~単位法の修得~ [科学と技術一般]

順不同で知らない用語を手掛かりに,その分野の学習をします。


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単位法というのは,%インピーダンスを用いた計算法(以下%Z法)を言います。

これについては大昔多少教わった様なおぼろげな記憶のみで,完全に忘れていますので,きちんと学習しておかないとアウトです。ただそのテキストはそう多くはありません。あまり本を買わない人間(なるべく立ち読みで済ませるなど)ですが,今回は購入したのはこちら。

図説%Z法と対称座標法の入門

図説%Z法と対称座標法の入門

  • 作者: 誠, 柴崎
  • 出版社/メーカー: オーム社
  • 発売日: 2018/04/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
強電弱電に関わらず,電気回路の面倒な計算をなるべくシンプルにするのが種々の回路解析手法です。基本の導入*であれ各種定理の活用であれその考え方が基本指針です。この%インピーダンス法というのも,大きさの異なる変圧器などをなるべくシンプルに取り扱うための便法の様です。

まず言葉の意味です。%Zとは,電源電圧Eに対する線路のZによる電圧降下を%で表したものです。式で書けば,
\[\text{%}Z[\text{%}] = \frac{Z[Ω] \cdot I[\text{A}]}{E[\text{V}]}×100[\text{%}] \] です。一種の無次元数です。確かに世の中数多にある機器の定格を規格化してしまえば「かなり便利なんだろう」とは思うわけですが,これだけではその便利さはまるで分かりません。これは実用的な式ではないそうで,実用的な式は,
\[\text{%}\dot{Z}[\text{%}] = \frac{\dot{Z}[Ω] \cdot S[\text{kVA}]}{10V^2[\text{kV}^2]} \] だそうです。電圧値として[V]ではなく[kV]を使うとか電力屋さん的**です。
基本式から実用式までに記号が変わっています。Zがベクトルに,相電圧E[V]が線間電圧V[kV]に,そして電流を直接使わずに皮相電力S[kVA]を使います。分母の10はkと%の換算で発生します。

これだけ見ても,あまりピンときませんのでいくつか演習してみないとダメです。


*交流理論では虚数単位ijと書きます。電流iと混同するからです。電流密度Jと混同するという人もいますが,電流密度のJは(少なくとも電気関連では)小文字では書かないのでその心配はありません。因みに自然対数の底eも起電力(の瞬時値)eと混同するので,εを使います。εは誘電率と同じ記号ですが,まさか自然対数の底を物理定数のεと混同する酔狂な人も居ないだろうと。しかしながら。。。真っ当な論文誌で透磁率のμとボーア磁子のμBを混同している人がいて驚いた事はあります。
**kとかMなどの千倍刻みの接頭語はSI推奨の使い方なので勘弁してもらいましょう。他分野には,ヘクトパスカル[hPa]とかセンチリットル[cL]とか,デシメートル[dm]とかいった不思議な刻みもありますので。

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