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ソルの20の練習曲(セゴビア編)再考〜第5番〜 [演奏]

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セゴビア編ソルの練習曲第5番はOp.35-22ロ短調,通称「月光」です。

Op.35は「非常に易しいエクササイズ」です。確かにOp.6と29に比べれば,だいぶ易しいでしょうが,易しいOp.35とは言え最後から3番目なので,雑音無くきれいに弾くのはそう易しくはないでしょう。

この曲を弾くのはもう何度目かになりました。「禁遊」のロマンスやタレガのラグリマなどと共に5指に入るアマチュア人気曲の一つでしょう。

奏法ですが,メロディがしっかり出せれば,アポヤンドしなくても良いでしょうが習慣的にやってしまいます。ものすごくロマンチックに弾く必要は無いと思いますが,かと言ってまったくのアルペジオでは素っ気ないと思います。テンポもセゴビア版はModeratoに変えていますが,オリジナルはAllegrettoですので,やや素っ気ないくらいでも良いのでしょう。



セゴビア版では,結構強弱が細かく指定されているほか,最後にpoco rit.が付いています。
ナゾなのが,32小節目から33小節目にかけての弾き方です。ここを大幅に間をあける演奏が多いですが,32小節目は33小節目以降に至る経過句と捉えて,自然につなげるよう心がけました。



以下私の録音です。

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コメント 6

黒板六郎

月光とはうまいネーミングですね。たぶんベートーベンの月光に似てるからなんでしょう。しかし練習曲なのに、なんてきれいな曲なんでしょう。私にとっても暗譜してる数少ない一曲です。
by 黒板六郎 (2016-03-05 23:08) 

Enrique

黒板六郎さん,コメントありがとうございます。
100以上ある練習曲の一つですが,これが名曲である事は事実でしょう。「月光」のネーミングについての実態は良く知りません。日本だけのネーミングではないかな?とも思いますが,このエクササイズ(エチュードはOp.6と29のみ)を普及させた一つの功績はあるでしょう。セゴビア版で次の曲第6番(Op.35-17)は「夢」とかとも呼ばれています。親しみ込めた愛称は良いですが,デメリットとしては,イメージが固定してしまい,本来の作曲家の意図とは異なって一人歩きしてしまうことだと思います。それはそれでも良いのだとは思いますが。
by Enrique (2016-03-06 08:19) 

アヨアン・イゴカー

改めてこの曲を聴いて見ると「禁じられた遊び」の雰囲気にも似ているように感じます。拝聴していて、何だか悲しい気分になってきました。モノクロの映像がやはり合いそうです。
by アヨアン・イゴカー (2016-03-06 23:43) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,ありがとうございます。
以前この練習曲でも対旋律を作ってもらったりしました。
この練習曲は日本では月光の愛称で親しまれています。日本ほどではないにしても他国でもそこそこ人気はあるのだろうと思います。何人かの編者にも取り上げられていますので。
確かに短調でアルペジオに混ざるシンプルなメロディといった風情は「禁遊」と共通です。
by Enrique (2016-03-07 07:38) 

黒板六郎

「夢」もきれいな曲ですね。学生時代、先輩の奏でるメロディに感動した記憶があります。たしかにイメージの固定化はありますね。「月光」なんてそれ以外に考えられないですから。でも外国じゃ雨だれとかなんとか呼ばれてんでしたっけ。
なんにせよ、シンプルでもきれいな曲いっぱいあって、ギター弾きにとって、うれしい限りです。そうそうコストのニ短調にエチュードも素敵です。
by 黒板六郎 (2016-03-07 21:46) 

Enrique

黒板六郎さん,聞いていただきありがとうございます。
次は「夢」も用意しております。
「月光」をイメージしてか,ものすごくロマンチックな演奏もあります。テンポもセゴビアがアレグレットからモデラートに変えているせいもあるのでしょう。
コストはソルの弟子にあたる人のようで,やはり美しい練習曲がありますね。ただ私も弾いたのはニ短調のエチュードくらいですが。

by Enrique (2016-03-07 22:38) 

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