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日食の話 [科学と技術一般]

の21日の朝東京で金環食,それ以外の日本全国でもかなり大きく欠ける部分日食が見られます。(本来は「日蝕」が正しいようです)
この手の天体現象は何年も前から分かっていて必ず起きます。いくつもの天体間の相互作用なのでそう簡単ではありませんが,基本的には高校レベルの数学・物理の知識で決定論的にいくらでも精密に計算出来る現象です。従って,こういう計算してもプロの研究者にとっては実績にならないため,アマチュア愛好家の活動分野に入っているのだそうです。

もあれ,こういう珍しい自然現象は,科学の基礎を学び,子供達に自然の神秘を体験させる絶好の機会でしょう。天気が良いのを期待します。日食が起こる原因は,月が太陽を隠すからと中学校で習います。ですから完全な新月の時が日食の時です。これを「朔(さく)」とも言いますが,これを「ついたち」とも訓読みにしたのが,月暦での1日です。今度の日食の日5月21日は,月暦ではちゃんと4月1日になっています。

は月暦の朔日には毎回日食が起こるのでしょうか?もちろんそう言う事はありませんね。部分日食でも何年かに一回,皆既食や金環食は人生のうにそう何回も見られません。その理由は地球の太陽の周りをまわる公転面と月が地球をまわる軌道面が少し(5度位)傾いているせいで,太陽と月の位置がうまく重なるタイミングはそう多くありません。もし,軌道面がぴったり揃っていたら日食や月食は毎月起こって,珍しい現象では無かったはずです。この手の話をノーベル物理学賞をとった益川敏英さんの父親は銭湯の帰り道などに益川少年にしたのだそうです。ぴったり行くようでちょっとずれている,他にもありそうな現象です。

て,前回2009年7月22日の部分日食も太陽が三日月くらいまで欠けました。これに関した記事も書きましたが,この時撮影した画像を放ってありました。連続写真で動画にしてみましたがあまり面白くないので,並べてみました。20分ほどの間に,三日月状の太陽の欠け具合が「右やや下向き」から「ほぼ下向き太め」に変わっていく様子が分かると思います。この時は天気があまり良くなくて,雲の合間から欠けた太陽が時々顔を出すという状態でしたので,撮影の時間間隔が一定しないのも,動画で面白くない原因です。特別な天体光学機器は使っておらず,カビの生えた300mmレンズ(35mm換算450mm)を装着したデジイチで普通の三脚での撮影ですので,画像の位置や角度がふらついています。
Eclipse22Jun2009
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黒板六郎

さだまさしではありませんが、天文学者になりたかった。いまだに星だの宇宙だのというキーワードを聞くと胸が高鳴ります。
半世紀も生きてますが、宇宙はやはりロマンです。夢です。あこがれます。宇宙の果ては何があるのか、巨大な泡構造はなぜできたのか、そして異星人とのコンタクトは可能か・・・
悲しいかな文系のわたしにはあこがれるしかありませんが、見事な天体の写真を見ると不思議になつかしい思いがします。なんででしょう。もしかすると、いにしえ我々人間はかなたの天体から移住してきて、その遥かな記憶が呼びさまされるのかもしれません。
いやあ宇宙っていいですね。
by 黒板六郎 (2012-05-11 21:08) 

Enrique

黒板六郎さん,niceなコメントありがとうございます。
クラシックギター分野で星が好きな方とか結構多い気がします。
池谷・関彗星の関さんとか。ロマンチストなのでしょうか?私も星も含め自然物好きです。
人間の状態で移住して来たかどうかは分かりませんが,生物の起源が他の天体にあるという説もあると思います。
たまに星空を見上げたり,宇宙の事を想像したりすると,日常のチマチマ・イジイジした気持ちがリセットされる感じはあります。
by Enrique (2012-05-12 00:29) 

黒板六郎

へえ、関さんってギターでも有名な人なんですね。
全然お話変わって、今日は日中フォークの素人ライブに潜り込ませてもらいました。ジャンルは違いますが、音楽という共通の世界で分かり合える感があり、楽しかった。どこの世界にもうまいひとはいますね。そこで月光を弾かせてもらいましたが、完全なアウェイでの演奏で最高に上がりました。そのくせ調子にのって杉田二郎を歌いたかったんですが、ど忘れしちゃいました。
しかしかぐや姫やら風なんてすぐ入り込めちゃいます。いいもんはいい!
by 黒板六郎 (2012-05-13 00:34) 

アヨアン・イゴカー

日蝕というと天岩戸を思い出しますが、日蝕という現象を子供達になにも説明せずに体験させると言うことも必要ではないかと思います。驚きを体験し、後でその理由を説明してもらう、これはよい勉強になるような気がします。きっと、古事記の時代の人々と驚きを共有できることでしょう。
by アヨアン・イゴカー (2012-05-13 11:33) 

REIKO

日蝕の写真、雲間に霞む欠けた太陽がいい味してますね~!
あの日は全国的にお天気が悪かったのでしたね・・・私の住んでいる所では、もっと厚い雲が広がってしまい、何が起きてるのかよく分かりませんでした。
多少涼しい風が吹き、気温の上昇が止まったくらいでしょうか。
頼みのネット中継も、途中で回線がダウンして画像が停止、NHKを見てたような記憶が・・・・
(ネットの日蝕中継はいつもいいところでダウンするので、今までまともに見れた試しがありません)
今回は晴れるといいですね。
まだ観測メガネも買ってないし、東側が開けた場所の目星もつけてないし、前日になって慌てることのないようにしたいと思います。
金環食と比べると地味ですが、金星の日面通過も楽しみにしています。
by REIKO (2012-05-13 21:30) 

Enrique

黒板六郎さん,コメントありがとうございます。
かぐや姫,風,懐かしいですね。
フォークブームの頃は,若者は全員ギターを持っていましたね。カラオケもあったにはあったと思うのですが,そうそう飲みに行って歌う訳にもいきません。下宿で一人,友人とギター伴奏でフォークソングを歌う,そんな時代でした。
クラギをやっている人もおじさん年代はフォークの心得ある人は多いのではないでしょうか。私もちょっとやっていました。基本コードは分かります。コードネームなしでぱっと伴奏付けるのは得意でありませんが。
パフォーマンス時の「あがり」に関しては私がこのブログ始めたきっかけになった課題でもあります。聴衆がクラギの人ばかりでもあがりますが,まったくのアウェイでも逆にどう思われるか図りかねて緊張するのはあります。
by Enrique (2012-05-13 21:37) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,nice&コメントありがとうございます。
そうですね,神話の時代は一大事だったことでしょう。
源平水島合戦中に日食が起き,天文官有する平家サイドは予測していたらしいですが,これを知らない源氏は恐れおののいて逃げ出したという話があります。
小学生くらいですと,理屈を理解するのが難しいので,体験が大事だと思います。もちろん理屈分かった上でも必要ですが。学校で学習することは全てが過去の人の営みの追体験ですし。
by Enrique (2012-05-13 21:55) 

Enrique

REIKOさん,コメントありがとうございます。
前回は天気がイマイチだったので,雲間からでも観測できたのはラッキーだったのでしょうか。たしかに天体観測としてはダメでも,絵としては面白いかもしれませんね。
日食ではネット中継があるのですか。それは初耳です。今度もどうも天気がイマイチの予報ですので,悪天候の際のバックアップですね。
金星の月面通過というのもなかなかマニアックですね。目の良い人なら肉眼でも見えるかもしれませんが,双眼鏡くらいは必要でしょうか。
by Enrique (2012-05-13 22:05) 

Cecilia

2009年の日食は観測メガネではなく下敷きを通して見てしまいました。
今度はきちんと備えて観測したいと思います。
by Cecilia (2012-05-14 13:51) 

Enrique

Ceciliaさん,nice&コメントありがとうございます。
日食観察は目を傷めないことが最大の注意点ですね。昔の子供は下敷き通して見たものですが,あまり良くないと言います。専用のグラス使えばイチバンでしょうが,なかなか入手が。。。直接見ないで,ピンホールを通した光を紙などに映した像を見るのが安全のようです。直接見ても良く見えるわけでもありませんので。
by Enrique (2012-05-14 17:59) 

Enrique

REIKOさんへのコメント,金星の「日」面通過でしたね。
月面通過とカンチガイしています。双眼鏡はダメ。アブナイアブナイ。
それに,月面にあるなら背面通過ですね。
by Enrique (2012-06-02 08:21) 

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