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Carcassi Op.60-25 [演奏]

昨年来のカルカッシの練習曲の演奏が終了します。
第25番,4/4拍子,イ長調です。

昨年の7月と8月に23番まで弾いて中断していました。今年に入って24番をやり,最後の25番が残っていました。
イ長調で,もちろんミーントーンでOKなのですが,必ずしもしっくりしないところもあります。カルカッシの年代からして,何らかの古典調律楽器を使っていた可能性もあるでしょうが,楽器が用意出来ませんので,手を加えない平均律の楽器を使いましたが,ささやかながら,最後の和音で,音律的な配慮を行っています。

平均律ではやはり3度が気になるので,最後の和音を少し工夫してみました。最後の和音A(C#)EAのC#が高いので,この音を弾く前の休符で,C#担当の⑤弦を少し下げています。4フレットが下がっているミーントーンなどの古典調律のフレッティングならばそのまま弾けば良いのですが,平均律のフレッティング楽器では練習時に,和音の響きが良くなる調弦(ペグの回し具合)をつかんでおく必要があります。

⑤弦はこの曲のようなイ長調ではバスの最重要音で開放弦で良く使いますから,曲の途中ではこれは危険です。いわば,曲の終わりでの捨て身技です。次の曲を弾く場合は忘れずに戻しておく必要があります。

タグ:Carcassi
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REIKO

なるほど・・・!
休符を利用して「チョイ下げ」するのですね。
これは音だけじゃなくて、実際に見てみたいですね。
上手く決まると、すごくカッコいいのでは?
あらかじめ何度も試して、ちょうどいい下げ具合を会得しておくわけですね。
これは高級技ではないでしょうか。
手が滑って下げ過ぎたら悲惨ですけど。(^ ^;)
いつもピタっと下げることができたら、これはもう超特技の領域では?
by REIKO (2011-04-06 00:41) 

夢笛myu

なかなか鮮やかな演奏ですね。
曲の途中でのペグ回しは、回し過ぎのリスクを伴うのでなかなかやれません。
イ長調でのC#、ニ長調でのF#をチョーキングする(ヘッドと反対側へ押し下げる)ことは、習い性のようになってしまっています。
とは言いながら、この方法は4フレットぐらいから上の高いフレットでないと、効きにくいですが。
あと、和音を構成する音が少ない時は、
ちょっと難しいですが、(移動ド読みで)ドミソのミは下げる、ソは上げることを同時にやるとよりきれいになります。
もちろんこれは平均律フレッチングの楽器の場合の話です。
by 夢笛myu (2011-04-06 13:15) 

Enrique

REIKOさん,コメントありがとうございます。

演奏途中での音の上げ下げは,休符や,音が続いていても手が一瞬空けば不可能なことではありませんが,人前でやる勇気はありません。この録音では,どうしてもノイズが入るので,間を少し編集しています。左手が空かない場合は右手で回します。

確かにかなりの高級技ですが,ステージなどでは演奏中に調弦自体がくるうことがあり,この瞬間調弦技は割とやる人はいます。このケースのように,あらかじめ分かっている場合はまだしも,超名人はアドリブでその場その場で微調整しつつ,最後の和音を響かせるようです。完璧に音が頭に入って自由自在に弾きこなせるレベルになっていないと出来ない技です。(山下和仁さんの演奏でよくやっています。さかんにペグに手が行き,時間があれば回し,時間がないと自動的に戻って演奏を続けています)。
by Enrique (2011-04-06 16:13) 

Enrique

夢笛myuさん,コメントありがとうございます。

練習不足のお恥ずかしい演奏ですが,昨年来弾いていた練習曲集の最後の1曲を残していて何か気持ちが悪く,適当なところでやっつけてしまいました。

そうですね,ペグ回し以前に押えで上手く微調整する方が現実的で,コードの押えの感覚が身についていればいいのですね。音律的な意識がないと,響き悪く感じてもどの音のせいかはあまりピンと来ていませんでした。古典音律に触れると,平均律フレッティングを弾いても,意識は行くようになりました。
by Enrique (2011-04-06 16:36) 

Cecilia

かっこいい曲ですね。私も鮮やかな演奏だと思いました。
曲の途中でのペグ回し、まるで私が購入したハープのレバーを曲の途中で上下するみたいなものなのでしょうね。
大変そうです。
by Cecilia (2011-04-09 10:50) 

Enrique

Ceciliaさん,nice&コメント,ありがとうございます。

曲集最後の曲なので,それなりに華やかな曲です。その分難しいです。
そうそう,たしか20番がヴィラ=ロボスの第2番に似ていると書きましたが,Ceciliaさんから,ブルグの「天使の声」に酷似しているとの驚愕のご指摘で,なるほどと思ったものでした。どうしてもギター曲で判断してしまうのですが,こちたの方がヴィラ=ロボスの第2番と似ています。というかヴィラ=ロボスがこの曲を参考にしたのでしょうね。

ハープのレバーは半音だと思いますが,ペグの場合,全く制限がないので,曲の途中で瞬間的にカンで1/7半音を下げるのは危険です。やはり最後がいいと思います。でも最後でずっこけても目も当てられませんね。
by Enrique (2011-04-09 13:39) 

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