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右手のフォーム [演奏技術]

左手の親指の位置に関して書きました。
かつての教本の記述は,現在では必ずしも正解ではないと言うことを書きましたが,右手もかなりヴァリエーションがあります。

手の大きさやくせが人により異なりますから,「この形が絶対」と言うことはないわけですが,色々やってみました。
なお,楽器には注目しないで下さい。量産楽器です。

やっていて,どれが一番いいやら写真では良く分からなってきますが,特に無理にひねったりしてないフォームが良いと思います。

下の写真は,セゴビア的なフォームで,かつては良いといわれていた形です。もっとも,セゴビアの親指はもっと反ったと思います。ジョン・ウィリアムスはずっとこのフォーム(もっと親指が直角に出ているかも知れません)で安定しています。スカイでエレキギターを弾いていたときでさえ!そうだったと思います。この写真は無理に作っているフォームで,私にはとてもこの形では弾けません。
IMGP0768.JPG

下の写真は,手首をひねらず,自然に握手するような弾き方です。最近はこのようなスタイルの奏者が多いと思います。手首をひねらないため,指先が自然に動きます。弦との接触が斜めになります。その為かアルアイレで弾いてもアポヤンド的な音が出せるようです。バルエコ以来このようなフォームが主流のような気がします。前から見て手首がもっとまっすぐな奏者も多いと思います。私も少しづつこのフォームに近づいている感じがします。セゴビア的なフォームが良いといわれていた時代は,こちらはダメなフォームの見本でした。
IMGP0770.JPG

しかし,元々が荘村さんの「ギターをひこう」が最初だったので,氏の右手の影響が強いと思います。そのため,どちらかと言うと,下の写真のような(イエペス的?)な右手です。慣れもあると思いますが,私にとっては弾きやすく,和音をつかむのにも一番力が入りやすかったフォームです。

IMGP0767.JPG

最近のスタイルよりも更に手のひらの重心を表面板に近づけたフォームもあります。多分リュートやバロックギターの弾き方で,爪奏法とは相容れないようですが,指頭奏法では自然なフォームのようです。右手を安定させるため表面板に小指を置いたりします。アコギのアルペッジオやスリーフィンガー奏法とも相通じます。フォームもさることながら,弦をすくいあげるようなアクションが異なります。
IMGP0780.JPG
nyankomeさんからご指摘受け,リュート等のフォームとは全然違うようなので,上の写真差し替えました。

右手を構えて,左手でシャッターを押したため,典型的な形より少し崩れているかも知れません。
アクション含めた動画でないと分かりにくい面はあります。


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nyankome

楽器を構えながら写真を撮るのは至難の業ですね。
お疲れ様でした。
さて、親指内側奏法の場合、写真のフォームとは異なり、指が弦と平行に近くなります。
バロック・ギターを弾くときは親指外側奏法ですが、リュートのフォームに近いと思います。
by nyankome (2010-10-20 16:23) 

Enrique

nyankomeさん,nice&コメントありがとうございます。
ご指摘通り,最後の写真はリュートなどのフォームとは異なっていますね。もっと指を伸ばしているということですね。この写真は表面板に小指を置くという動作がメインになってしまい,形は全然違うようです。
by Enrique (2010-10-20 20:06) 

nyankome

早速写真を撮り直して頂き恐縮です。
リュートのフォームも当時はいろいろあったのだろうと思います。
親指内側奏法は存在しなかったという説もあります。(^^;)
by nyankome (2010-10-21 00:11) 

Enrique

nyankomeさん,再コメントありがとうございます。
まねしてやってみただけ(私はこのフォームでは弾けません(汗))なので,正確かどうか分かりませんが,前の写真は全然違ってました。間違ったままだとマズイので,修正しました。ご指摘ありがとうございました。
by Enrique (2010-10-21 11:18) 

koten

私はどのタイプかなぁ・・・昔は一番上に近かった気がしますが、今は2番目に近いかも知れません。 ただ、トレモロ奏法の時だけは一番上のタイプになりますね今でも。 ちなみに私が最初に習った先生から教わったことは、「右指は斜めタッチで良いが、指先の力は完全に抜くこと。そうすれば斜めタッチでも爪の面が弦に最大限の面積で当たって抜けて行き、良い音になる」というようなことでしたね。
by koten (2010-10-21 13:03) 

myu

私のギターはまったくの独学ですが、右手のフォームはごく自然に「斜めタッチ型」になってしまった気がします。それどころか、無意識のうちに右手小指を付けて支えにしている事もあるらしく、「君にギターを貸すとなんでここに傷が付くのかなあ」といわれたこともあります(汗)。単音でも重音の時でもとにかくきれいな音を出したい欲求がまずあって、右手指が弦に当たる角度はその時の爪や弦の状況に合わせて、無意識のうちに微調整している気がします。
by myu (2010-10-21 14:37) 

Enrique

kotenさん,nice&コメントありがとうございます。
右手フォームも結構人によって変わりますし,これが絶対というものも無いでしょうね。阿部保夫「カルカッシギター教本」には,1番目が良い形で,2番目が悪い形と明記されていましたが,今となってはマチガイですね。
しかし,私自身,弾いている時に色んな形になっていそうです。ご指摘のように,トレモロの時は私も1番的なフォームになっていますね。普通に弾くには苦しいです。4番を使うことはほぼ無いですが,ピチカートの時は否応なくそうなっていますね。
by Enrique (2010-10-21 18:14) 

Enrique

myuさん,コメントありがとうございます。
「支え」というのも長所短所ありますので,いい悪いは言えないですね。安定する反面,タッチが指先だけになる様な気はします。
確かにツメの状況でタッチを無意識に微調整しています。ツメの形も重要でしょう。従って,ツメが無い指頭弾弦の場合は大幅にフォームが変わってきます。
弾く弦以外で支えをとる事もありますが,弦の共鳴を消す場合は好都合ですが,響かせたい場合は良くないです。結局音楽次第ということになってしまいますね。
by Enrique (2010-10-21 18:25) 

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