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作曲家の個性 [音楽理論]

曲名を知らなくても,バッハやモーツァルトは少し聴いただけでわかることが多い。ヴィヴァルディも分かりやすい。ゆるぎない大作曲家の個性によるものである。

バッハの個性が優れているように思うが,バッハはイタリア風のヴィヴァルディの作風にあこがれたようで,ヴィヴァルディの曲を何曲かを編曲している。また,有名な鍵盤曲「イタリア協奏曲」はチェンバロ1台の独奏曲だが名前は協奏曲。1台のみで協奏的な華やかさを演出している訳だが,ヴィヴァルディの影響を受けたことは明らかである。

ついでながら,バッハ(1685-1750)に影響を与えた同時代人としてヴィヴァルディ(1678-1741)の他にも,アルビノーニ(1671-1751)がいる。「アルビノーニのアダージョ」は「パッヘルベルのカノン」や「ヴィヴァルディの四季」と並んで,バロックの名曲に数えられていたが,これは20世紀の作であり,アルビノーニとは何の関係も無いものだそうである。前に触れた,バッハ作とされてきた「メヌエット・ト長調」やヴィヴァルディ作とされてきた「忠実な羊飼い」などはまだ時代が近いものだったが,これはバロックでさえない。言わばポンセ作の組曲イ短調やニ長調のような擬バロックである。

ギターの世界では,古典黄金時代の双頭,ソルとジュリアーニも個性がはっきりしていて,知らない曲でも両者取り違えることはまず無い。しかし,どうもグラン・ソロはソルといえばソルだが,少し技巧的でジュリアーニっぽくはないだろうか?逆に,ジュリアーニのソナチネ3番の1楽章などは,きめ細かく弦楽四重奏的な響きで少しソルに似ている。同じ時代,同じ楽器の曲,共通点が無いほうがむしろありえないことだろう。以前からの何となくの印象だが。

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