SSブログ

「熱量」 [雑感]

「熱量」とは,元々はカロリーの事でしょうが,最近はこの言葉を曲の評価などに使う様です。

「この曲は熱量が高い」とか,「この演奏は熱量がある」とか。

EnriqueAutographSmall.png
「熱量」に限らず,漢語の,かつ本来は理工系用語を日常の別な分野に使う。むろん科学技術の進歩とともに,その用語が一般に進出してくる現象はあるのでしょう。「ストレス」の様に,本来の「応力」よりも定着するものもあれば,「マトリクス」とか「リンク*」のように賞味期限が過ぎたかの様なのもあります。理工用語ではありませんが,「コミット」なるよく意味の分からないものもありました。「シンギュラリティ」なる語も本来の意味とは異なる分野に使われていますが,何時迄持つのでしょうか?


ショコタンこと中川翔子さんあたりはその辺の用語の使い方が得意そうです。ひょっとしたら,科学技術用語というよりもアニメなどで出てくるのかも知れません。当方小学校で漫画は卒業したのでその辺の事情は全く分かりませんが。

かつての将棋や囲碁などの用語である「局面」とかは全く普通の言葉になっていますし,「詰み」とかは「詰んだ」というのが一時期若者中心に流行りました。もっと前の私が若い頃なら,麻雀で使われる「連チャン」とか,「リャン面」とかいう言葉が流行った時期があります(麻雀からパチンコへ?)。

「馬力」などは古い言葉でしょう。出力パワーの単位としての馬力も使わなくなっています。[kW]です。それを言えば,熱量の単位[cal]も現在はエネルギーとして共通の[J]を使います。


昨今は第何次かのAIブーム。深層学習を専用GPUにさせて,人間がやるより遥かに高速に有用な答えを出すと。その技術自体が一般に感知される程の言葉に使われるという現象はまだ起こっていない様ですが,「レイヤー」という言葉はもともと少々使われているかも知れません。そのうち,大嘘の事を「ディープフェイク」とか言ったりするかも知れません。

横文字が流行る時期もあれば,漢語が流行る時期もあります。
システムを表す「系」も一時期「ナントカ系」というのが流行りましたが,システムと言うよりも「ナントカ系統」という意味だったのでしょう。当方などが違和感を持つ表現に「軌跡に迫る」と言うものがありますが,やはりアニメか何かの影響なのでしょうか。「軌跡」は描いたり辿るものであって,「迫る」ものではないと思いましたが,一般人のみならず天下の放送局までもが使っていました。


むろん言葉は生き物。新しい言葉や表現が現れるのは当然ですが,誤用を新語や新表現とするのはいただけません。これらの言葉使いにおいて,もともとそれが使われていた本来の学問や科学技術への興味関心は薄れ,新そうに見えるその用語だけが一人歩きしている様に感じるのは当方だけでしょうか。


*ネットの「ハイパーリンク」の意味では現在も使われますが,かつては何々にリンクする(関連する・連動する)の意味で使われました。
nice!(31)  コメント(2) 
共通テーマ:音楽

nice! 31

コメント 2

上山完

この「言葉にこだわる話」シリーズは大好きで、いつも楽しく読んでます。
最近はラーメン屋とかレストランの注文の仕方を「システム」って言うんですよね。お店の人に「システムは~」って説明されると、すごい違和感があります。
by 上山完 (2024-05-28 11:12) 

Enrique

上山完さん,「当シリーズ」ご愛読ありがとうございます。
そのシステムは知りませんでした。「注文システム」なんでしょうか?それとも何か新しいシステム?勝手な造語や省略は困りますね。
by Enrique (2024-05-28 14:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。