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良薬口に苦しだが,楽な練習法も [演奏技術]

同様なタイトルで以前書きましたが,今回は練習法に関してのTipsがあります。

ストレッチに関する記事で,多くの人は「やりやすいポーズばかりをやる」という弊害を指摘しました。

多くの人は,実際の効果よりも「たくさんやった」という満足感を味わいたいようです。残念ながらそれは自己満足に過ぎません。効果ゼロならまだしも,マイナスになっているおそれもあるわけです。

苦手なところ,やりにくいところをピンポイントであたるのが重要なことです。


何も臥薪嘗胆,耐えて苦いものをずっと舐め続けろというわけでもないのですが,人間ナカナカ出来にくいもののようです。まずは,耳の痛い指摘じたいが聞こえてこないようです。

耳の痛い指摘を聞かない理由の一つが,「プロではない。趣味だから。」というもの。きっと仕事で,いっぱい我慢したから,趣味くらい好きにやらせてくれというのも分からないではありません。自分で気づくのが一番重要な事な訳ですが,「プロではない。趣味だから。」というマインド・セットでは,指摘させてもなかなか気がつかないもののようです。意識下か無意識下か,「俺の勝手だ」と,指摘事項に気づく感性を閉ざしてしまうのかもしれません。

しかし,レッスンを受け,上手くなりたいと思うのであれば,まずはマズイところに気づき,苦いところこそ選択的に舐めないといけません。その取り組みにはプロもアマも無いはずです。むしろプロの方が営業の制約があるのでやり切れないかもしれません。アマの方がとことん効果的な方法を見つけて実践できる自由があるはずです。「悪人正機説」ではありませんが,「プロなおもて上達を遂ぐ,いわんやアマをや」でしょう。

プロだろうがアマだろうが,自分で限界を決めて「これで良いのだ」と思った時点で上達は終わっています。

レベルによらず効果の上がる効率的な練習法について面白い話がありました。

練習ポイントを絞って(苦手なところのみ),ちょこちょこ休みながらやるのがよさそうです。


以前紹介したイエペスだとか,ジョン・ウィリアムスだとかの練習法とも全く共通です。練習の効果については,従来から色々と言われてきたことですが,休む効果はかなり重要な事のようですが,そのことにお墨付きを与える研究結果のようです。
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はなこ

何事も効率よく行うことは大切なんですね
分かってはいるんですが、どちらかというと効率の悪い生活をしていると感じます

楽しむのと練習は分けて考えるべき、ということですね
なんでもダラダラやってる私にはなかなか難しい課題です
by はなこ (2023-06-04 23:27) 

アヨアン・イゴカー

この動画、大変興味深いです。
寝だめ、食いだめは意味がないと言われていますが、練習でも全く同じことですね。高校生の時に、ピアノが自宅になく、週一回だけ借りて何時間もぶっ通しで練習しましたが、先生の前ではうまく弾けませんでした。
もし自宅にあれば、毎日30分でも練習しただけで、はるかに上手に弾けただろうと思います。休息中にシナプスが活性化し、練習した記憶が強化される、これは体験的にそう感じていましたが、動画で納得しました^。^
by アヨアン・イゴカー (2023-06-05 10:47) 

Enrique

はなこさん,
ダラダラは必ずしも悪いことではないみたいです。
ポイントを絞った練習を短時間やって休み,その時間は何をしていても効果は変わりがないようですので,その時間はダラダラしていても全く問題無いと思います。ダラダラ時間を楽しむためにも,短時間の練習に集中するのが良さそうですね。
by Enrique (2023-06-05 15:10) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,
寝だめ,食いだめと同じく,練習だめも効果ないという事ですね。良い例えだと思います。長時間やっても食いだめと同じで消化しきれず排出されてしまうわけですね。
従来から一流プロが実践していた方法に,客観データによるお墨付きが出たという事のようです。
by Enrique (2023-06-05 15:14) 

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