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保護色/擬態2景 [日常]

お盆休みに,少し出歩きました。

そこでiPhoneで撮ったののが,この景色。


みかんかレモンの柑橘類の木です。
IMG_0766.jpg
この中にアゲハの幼虫は何匹いるでしょうか?
柑橘類の葉っぱはナミアゲハやクロアゲハの幼虫の大好物です。見ると必ずと言っていいほど,アゲハの幼虫が付いています。一般的には蛾よりも好まれるアゲハ蝶ですが,柑橘類を育てる側からしたら完全に害虫です。

一方,鳥の格好の餌でもあります。
先日,庭でナミアゲハのランデブー(古い言葉です)を観察していましたら,電線上で狙っていた中型のトリがものすごい勢いで,何方か一頭を捕獲。「パシャッ」という音までしました。電線上に戻ったトリは,捕獲したアゲハの翅を捨てながらムシャムシャ食べていました。何ともショッキングな出来事でした。恋路を襲われて難を逃れたほうの相方は,ものすごい勢いで逃げ去ったのは言うまでもありません。ランデブー中は網で捕るのも簡単で,たいがい2頭同時に捕れます。トリにとっても狙い目なのでしょう。アゲハにとっては命がけの恋です。

アゲハ特有の尾状突起は,トリを欺くためとも言われています。ヒラヒラと大きく見せて,トカゲの尻尾のように本体は逃げるための囮だとも言われます。確かに,新鮮な個体なのに,後翅の尾状突起部がごっそりやられているチョウを見る事がありますが,それが功を奏しているのでしょう。冗談ながら,翅が傷んだ個体は,蝶オタクの人間からも相手にされず一石二鳥の効果があるかも知れません。

大人になって子孫を残そうとしている直前でも襲われてしまう。無情なものです。しかし,昆虫達はそんなにヤワではありません。昆虫の戦略は,数量作戦です。魚などでもそうでしょうが,卵から増やしておいてそこそこの数に収める方法です。しかし天敵の減少など何かの加減で虫の数を減らす要素が激減してしまうと,大発生することになります。そうすると今度は餌の不足などで,個体数を減らす効果が出て来ます。

ナイーブな種だと,絶滅してしまうかも知れませんが,大概のものはしぶとく生き残ってまた元通りになる,という繰り返しです。活発な成虫でも襲われてしまうわけですから,動きの鈍い芋虫である幼虫時代は格好の標的です。


とあるお寺の境内の大きな桜の木についていたアブラゼミ2匹。
仲良く並んでいるのが面白いところです。

セミの翅は,全世界的には透明なものが多いのですが,日本のアブラゼミやニイニイゼミはたまたま不透明です。当方の地域とかでは一番多くいる駄蝉?なのですが,海外のセミ研究者には珍しがられて人気が高いそうです。

アブラゼミの翅は透明でなくても,明らかに木の肌と同化しています。遠目にはセミが居る事に気づきません。

IMG_0768.jpg
近目には2匹仲良く並んでいます。

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トックリヤシ

我が家の小さなレモンの木、たまにアゲハが卵を産むのですが
その幼虫たちの天敵は・・・うちのカミさんです^^;
by トックリヤシ (2022-08-17 09:41) 

枝動

おはようございます。
アゲハの幼虫は、3匹居ると思いますが、どうでしょう。
久しぶりに見ました。子供の頃以来だと思います。
背中の赤いアブラゼミは、初めて見ました。噂には聞いていましたが、より木肌に同化していますね。
by 枝動 (2022-08-17 09:57) 

風神

連鎖の下位のものは、大量の産卵で種の保存に努めていますね。
更には、保護色や擬態する能力を備えてきたのも、何とも進化の不思議を感じます。擬態して獲物を狙うのも居ますしね。
アゲハの幼虫はナミアゲハでしょうか。三匹確認できました。
セアカアブラゼミは見た事無いです。保護色の観点からすると、セアカの方が多くても良いんじゃないかって思いますが、そういう理由でも無いんでしょうね。
by 風神 (2022-08-17 17:46) 

Enrique

トックリヤシさん,
なかなか手強い天敵です。しかし,バタフライガーデンでなければ無理もないです。大事な葉っぱが食い荒らされてしまいますので。
アゲハではなく木に肩入れするとそうなりますね。
by Enrique (2022-08-18 06:37) 

Enrique

枝動さん,
そうですね。3匹で正解だと思います。特に問題用に撮ったものではないので,見えるままでよいかと思います。
逆に葉っぱの方が幼虫やさなぎに見えてきますので,変なものです。
by Enrique (2022-08-18 06:40) 

Enrique

風神さん,種の保存・擬態や保護色はなかなか根源的なもので,人間社会にまでその模倣?を見ます。
アゲハ幼虫は3匹で良いと思います。種類はおそらくナミアゲハだと思いますが,当方は幼虫ではクロアゲハとも雌雄も区別つきません。
アブラゼミにはセアカというタイプがいるのですね。意識したわけではなく,たまたま黒いのと並んでいました。虫好きの悪い癖で,興味のあるものや珍しいものは観察が細かいのですが,そうで無いものは杜撰になります。

by Enrique (2022-08-18 06:49) 

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