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軽く気持ちよく弾けた感覚 [雑感]

人前での演奏で気持ちよく弾けた経験は少ないのですが,過去にあったそういう状態はイメージとしてあります。

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休憩の重要さが指摘されます。
良い状態でないのに,根性で無理やり練習を継続するとデメリットしかありません。軽く弾けず,無用な力みが入って調子が良くないと感じたら,直ちに練習を止めて,肩の力を抜くとかその他気分転換を図る必要があります。

難所克服のごく短い部分の練習でも,すんなりクリアするためには一回弾く毎の休憩が必要です。なぜなら,特定の部分を繰り返して弾くことは実際の演奏ではあり得ないからです。有り体に言えば,弾き直す癖を付けないためです。


イエペスは,部分練習箇所を一回弾く毎に海岸で拾ってきた貝殻を置いていたと言います。それにより,さらった回数が分かるというのもありますが,貝殻を置く動作でインターバルが取れるというのが大きな理由です。

上の話は,以前新聞に載った荘村清志さんの手記で読みましたが,若かった当時の荘村さんにはその理由がよく分からなかったとの事でした。


練習は改善するためですから,改善した良い状態を目指すわけです。その目標として,誰かの演奏をお手本にするというのは良くありそうな事ですが,当方はそうしたいとは思いませんし,やったことはありません。

その様には弾けるとは思えないですし「創造性」がまるでありません。創造性に関しては,以前紹介したG.クリックスタインさんの本に繰り返し指摘されていましたが,これはある程度意識していないとまるで分からない事柄でしょう。

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  • 作者: ジェラルド・クリックスタイン
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反復練習と言え,創造性は重要です。イエペスの貝殻を置く動作などは,正しく練習の創造性の一環です。課題を見つけ自分の頭で考えて工夫することです。人間がより良い活動をするために障碍になるのは,つまらないこと,くだらないこと,退屈なことです。いくら上手に弾きたいという前向きな欲求があっても,後ろ向きな感情が勝ってしまうと続けられなくなります。

完成した演奏は結果であって,その様な演奏を生み出す過程を学ばないといけない訳です。完成した演奏を真似るためには,むしろ本家以上の技術が必要でしょう。上で挙げたイエペスの演奏だけ聴いてそれを目指そうとしても,彼のバックグラウンドを知らなければ難しそうです。


大家の演奏だけ聴いて真似してもダメというかそれはムリ。むろん録音の演奏自体がないものもあるでしょうし。では練習の目標をどうするか?自分なりの理想的イメージを頭に置くのが一番良いとは思いますが,具体的なイメージが必要なこともあるかも知れません。当方の場合は,過去の「軽く気持ちよく弾けた感覚」を思い出す様にしています。むろん同じ曲でなくても良くて,その様な身体感覚を思い出すようにします。練習時にその様にならない,力が入っているなと感じたらすぐ休む・止めるようにしています。

指標曲を作っておいて調子を確かめるという事をやっている方もいらっしゃる様ですが,常時暗譜で弾ける曲がほぼ皆無の当方としては,よい演奏感覚の記憶を指標にしています。
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