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古楽の悲しみ [日常]

今まで朝6:00開始だったNHK-FM「古楽の楽しみ」が,4日(月)から5:00からの放送になるのだそうです。

全くもって悲しみです。
どうしてそんな事になるのでしょうか?

では6:00からの番組は何になるのかというと,そこにはAM第2放送と「同時放送」で中学生の基礎英語I,II,中高生の基礎英語を入れるのだそうです。

番組表.png
4月4日の番組表
わざわざ放送をダブらせて何のメリットあるのでしょうか?
AM放送は聴けなくて,FMなら聴けるリスナーはいるのでしょうか?
むしろ同時にせず,英語会話の方をFM5時からにした方がずっと利便性は上がるでしょう。
皆目理解できません。

一時的・緊急避難的なものならば致仕方ありませんが,永年続いた6:00からの「古楽の楽しみ(および名前は変わるものの同種の番組)」をずっと5:00からの放送に追いやるのでしょうか?ここは草刈り場なのでしょうか?

殆どラジオしか聴きませんが,NHK受信料は払っています。本来ラジオだけなら受信料の支払いは必要ないはずですが,一応テレビ受像機もあるので,支払っています。むろん受信料は特定の番組に対して支払うわけでなく,NHKの放送事業に対して支払っているわけです。視聴者の少ない番組でも作れるのはむしろ受信料収入で成り立っているからでしょう。ろくに見ないでも払う受信料は,それに対する保険のようなものだと思っていました。

当方FM放送の初期から聴いていますが,英語会話番組が入るというのは初めてです。
FM放送の開始初期から「バロック音楽の楽しみ」で皆川達夫さんのころから聴いています。この番組は古楽どころか,70年代,80年代のクラシック音楽が死にかけていた頃でも朝6:00からで続いて来ました。

この番組は,学者先生がたが一般愛好家に語りかける貴重なひと時です。
古楽の研究が飛躍的に進みましたが,研究レベルの山の高さに応じたいわば裾野の広がり〜古楽の一般音楽愛好家への浸透〜といったものが大きな役割を果たしたものと思われます。

学術的な役割もさることながら,高原のキャンプ地などで,ラジオから流れる「朝のバロック」は日本国中に爽やかな朝のひと時を提供して来ました。

5時からでは,季節によっては夜が明けていません。
別にキャンプ地で無くても,目覚めと共にバロック音楽ではなく中高生の英会話をやっているのですか?
違和感しきりです。芸術文化の劣化を感じます。

夜9時のTVニュースをしれーっと8時からにして平気なんでしょうか?
朝ドラを,大河ドラマを1時間早めて平気なんでしょうか?

むろん当方は見ませんからぜんぜん平気です。むしろ朝の1時間の方が大問題です。
むしろTVなら簡単に録画でタイムシフトが可能ですが,ラジオでは容易にできません。

番組制作関係者には単にリスナーの人数で考えるのではなく,その不便さ,文化レベルへの負のインパクト度合いも考えていただきたい。
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コメント 8

風神

他にもユーザーをないがしろにするような事が、多々ありますね。
大した説明も無しにサービスを終了するとか。流行り廃りもあるんでしょうけど。
家内は確か、好きなラジオ番組を録音していると思います。TV録画も長らく見ない事もありますし、ラジオも後だと聴かない事があるでしょうね。
by 風神 (2022-04-02 15:57) 

U3

音楽も含めて芸術のない社会に文化は醸成されません。
FM放送で教育プログラムを放送するなら、英語ではなく音楽などの情操教育番組を放送すべきでしょう。
無味乾燥な若者でも育てようという意図でもあるのでしょうか。
by U3 (2022-04-02 16:40) 

REIKO

毎朝この番組を聴きながらツイッター上でおしゃべりを楽しんでいる「古楽の民」の人達が、この変更が告知された時には相当怒っていて、NHKに抗議の意見を送った人もかなりいたようです。
6時だと布団の中で聴きながら眠気覚ましも兼ねてスマホいじるのも良いでしょうけど、さすがに5時では…ですね。

ただ私個人は(ず~~~っと以前から思っていたことですが)、いいかげんにNHK-FMも、バロック含む古楽と「朝」の紐付けを止めたらどうかという気持ちの方が強いです。
早朝5時にしてまで朝に拘る理由が分かりません。
「古楽」縛りで選曲する番組は(まだ)必要かと思いますが、装いも新たに別時間帯で…という発想はなかったのでしょうかね?

by REIKO (2022-04-02 20:19) 

Enrique

風神さん,
永年生活に染みついている聴取者もおりますので,時間をずらす合理的な説明が欲しいところです。
記事にも書きましたが,現在デジタル放送のTVはタイムシフトは容易ですが,アナログ・ラジオはそれが容易にできません。「らじる」は簡単には出来ない上に,古楽は「聞き逃しサービス」すらありません。
のっぴきならぬ理由があるならいざしらず,あまり意味のないラジオ第二放送との同時放送のためというのは,それがどれだけの要望があってどれだけの利便性を目指しているのか全く分かりません。朝の古楽ファンを締め出すか,生活パターンをおかしくするかだけの様にしか見えません。当方を含め納得を得られるとは思えません。
by Enrique (2022-04-04 05:52) 

Enrique

U3さん,
そうですね,FM放送で語学番組をやるという違和感もしきりです。
それをわざわざAM第2放送とダブらせて。
AMとFMの同時放送というのはあまり記憶がありません。はっきり言って放送資源の無駄遣いです。免許を得ている放送局が電波帯域を独占的に使えると思うのは大いなる間違いです。国有地と同じ事で電波帯域は国民の共有財産ですから。
同時放送を同時に聴く人は1人もいないわけですが,AM第2放送の聴取者をFM放送へシフトさせたいということなのでしょうか。

by Enrique (2022-04-04 06:02) 

Enrique

REIKOさん,
当方も抗議意見の一人です(妻と二人)。
生活に組み込まれている人も少なくないのですが,英語教育番組のラジオ第二放送との同時放送を入れる事でそれをやるのは,朝の古楽ファンの神経を逆撫でしていると思います。
どれだけ利便性があってそうするのか?朝の古楽ファンは,英語教育番組聴取者の中の敢えてFMで聴きたいという(いるかいないか分からないごく一部の)人たちよりも軽視されているわけですから。局内事情なら別です。しかし,上でも書いた様に電波帯域の使用には公益性が必要なわけです。抗議は続けます。今回の変更は何を狙っているのかはっきりさせるべきと思います。

当方は,アーリーミュージックをアーリーモーニングに流すのはセンスとしては悪くないと思いますが,おっしゃるように,朝にこだわる必要は無いこと,古楽の一般への浸透という啓発的・歴史的歴史的役割が終わったということであれば,別時間帯での別番組の提示もあって良さそうなもの。それも無しでの5時スタートというのは殆ど嫌がらせに近いですね。

古楽でもクラシックでもポップスでも,解説があって基本全曲流す。民放には無い姿勢。これだけが当方がNHK-FMを聴く意味です。

毒にも薬にもならないようなものは聴く気は起きませんが,「古楽の楽しみ」は常に新しい発見があり,ずっと聴き続けられる放送だったのに残念です。わざわざ中高の英語会話をFMで流そうというのですから,大学レベルの古楽番組があったって良いとは思います。
by Enrique (2022-04-04 06:33) 

Cecilia

英語教育番組を時間をだぶらせてFMで放送するなんてまったく意味がわかりませんね。
おそらく苦情が殺到していることと思います。
最近ラジオを聴いていませんが、私としては毎朝6時開始の古楽番組は必ずあってほしいと思いますし、早朝に限らず同様の番組(再放送でも!)を放送してほしいと思います。
by Cecilia (2022-04-09 07:00) 

Enrique

Ceciliaさん,
そこなんです!
むろん古楽の件もありますが,音楽放送であるFM放送を語学番組に使うこと,それもダブり放送に使おうというのがおかしいですね。
ラジオ放送の合理化簡素化を図ろうという腹ならどういう事かしっかり説明すべきだと思います。
当然NHKには抗議しましたが,「総合的判断」とかで,具体的狙いを示そうとしません。全く許せません。
by Enrique (2022-04-09 12:02) 

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