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練習で心がけている事 [演奏技術]

暗譜するしないに関わらず,取り組む曲の情報を整理して頭に入れておくことはまず重要でしょう。

画像情報と音情報については既に述べましたが,まずその整理が必要です。拍子・調,そしてどんな楽式で構成されているか。

特にソナタやフーガなどをやる場合には構造解析は必須でしょう。
当方の場合,和音が弱いのです。和音で覚えるというのはかなり強力な暗譜法でもあるらしいです。確かに単純な和声進行であれば,少なくとも和音に関しては忘れようがありません。響きで覚えるほうが,メロディと伴奏で覚えるよりも有利な事でしょう。その為には,新曲に取り組む前にその曲のカデンツをしっかりと頭に叩き込むのが重要かと思います。まあ,基礎から音楽訓練を受けた人というのは,そこは自ずと出来上がっているはずですので,取り組むのはそれ以降の技術課題だけになります。

技術的な基礎練習を積んでいれば,一般的な手の運びで練習を要するのはその曲での特殊な箇所のみということになります。技術面の難所を先につぶしておくことで技術課題は早期に解決するので,無駄な練習時間は減らせます。また曲の構造をしっかりつかむことで,曲全体をよく把握した起承転結のある演奏になります。上手なプロの演奏は,素人が考える以上に細部が考えられ,全体の構成もしっかりしているものです。

ギターは同じ和音でもポジションが異なるため,別物に捉えていたりしがちです。ひどい場合は,メロディが同じだったりオクターブが違っていただけでも運指が変わるので別物に捉えていたりします。古典曲などでは,同じ音形が五度や四度異なって現れることも少なくないものです。整理・圧縮された情報で曲を把握すれば,かなり楽になるはずです。

ギター譜は一段に詰め込んであるので,一見複雑に見えますが,上声内声下声をバラして見れば案外単純です。本来はソルがやった様に二段譜で書くのが理想なのでしょう。

sorf-op7-v1-pg1.png
以前紹介したソルの二段譜による幻想曲Op.7の初版
一段譜でも,極力バラして弾いてみる事をやっています。バラしてスムーズに弾けなければ,同時には余計困難なはずです。和音だけでも弾いて見ます。部分練習というのは,時間軸を区切った練習法な訳ですが,声部をバラすことでポリフォニーをよく意識できますし,和音だけを弾いて見ることでハーモニーを意識できます。単純な効用として,部分練習のブツ切れを無くして流れが良くなるはずです。

これをタブ譜でやろうとしても無理です。単に押さえる場所の情報ですから,調も和音も解読できません。声部を取り出すのも無理,オクターブ移動も音程の度数等も全く分かりません。御大の福田進一氏も(当然の事ながらプロを目指す様な生徒には)五線譜で弾く事を奨めていますが,出版譜はタブ譜付きのものがどんどん増えます。需要があるから供給があるのでしょうが,あえてギターの方言的な譜を使うよりも標準語で学習するほうが学習効率は良いはずです。
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たこやきおやじ

Enriqueさん

全くおっしゃられる通りだと思います。


by たこやきおやじ (2020-01-15 00:44) 

Enrique

たこやきおやじさん,
ご同意いただき,ありがとうございます。
by Enrique (2020-01-15 05:30) 

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