SSブログ

Ponceの「3つの小品」を弾いてみる [演奏]

あれれ,ポンセの「4つの小品」ではと思われるかもしれません。 この件に関しては,以前の記事でも触れました。

ポンセが当初「3つの小品」として,Valse, Tropico, Rumbaの3曲で作曲したものです。
セゴビア は,Valseは気に入ったようですが,TropicoとRumbaはあまりお好みでなかったようで,Valseのみを他の曲(南のソナチネはお気に入りで全曲セット)と弾く場合,Valseのみではポツンと浮いてしまうので,Valseの前に弾く曲ということで,Mazurkaの作曲を依頼した様です。

ここでは,当初のポンセの意図をなぞって,3曲を弾いてみました。
Valseに関しては,有名なセゴビア版以外にも中間部に関して幾つかの版があるようですが,ここでは「4つの小品」となった後のPonceの美しい手書き譜*を元に弾いてみました。

まずValseです。
3小節目の連続の弾き下ろしが間に合わないので,pではなくiでやっていますので,少しカリカリした音質になっています。


Tropicoです。ゆっくりしたハバネラのリズムです。もっとゆっくり弾きたいところですが,息が続かないのか,どうしても三連符で早くなってしまいます。もっと地を這う様な三連符にしたいところです。
ラヴェル的で好きな曲です。


終曲のRumbaです。Allegro non Troppoの指定ですし,Cuban Rumbaもそんなに速いものではないので,速すぎず軽くリズミカルに行きたいと思いますが。。。リズムが崩れているところがあります。


以下,録音データです。
Date: 2019.10.13 A.M.
Guitar: Arcangel Fernandez '65 Cypress Model
String Name: D'addario EJ45 Normal Tension
Recorder: SONY PCM-D1
Microphone: built in ibid.
Audio Editor and mp3 processing: Audacity 2.3.2

* M. Alcázarの"Obra Completa Para Guitarra de M. Maria Ponce"より。
nice!(17)  コメント(10) 
共通テーマ:音楽

nice! 17

コメント 10

たこやきおやじ

Enriqueさん

Arcangel Fernandezは私が想像していたよりも良い状態に調整できたようですね。(^^;
ワルツの和音の弾きおろしの所は私も色々と工夫していますが、まだ納得が出来る弾き方には至りません。


by たこやきおやじ (2019-10-13 23:36) 

Enrique

たこやきおやじさん,
当方のアルカンヘルは,専門家に大改修してもらい,躊躇なく弾ける楽器になりました。さらに,ナットとサドルは自分で微調整しています。
by Enrique (2019-10-14 05:34) 

REIKO

私もポンセが大好きなので、楽しく演奏を聴かせていただきました。
この3曲セット、なかなか良い感じですね。
終曲のルンバが和声的に単純で、他2曲より内容的に少々落ちるのかもしれませんが、極めてギター的な書法ですから、ケレン味のある演奏でカバーすれば、大いに聴衆受けすると思います。

ポンセの美しい手書き譜にはビックリしました。
ヘタな印刷譜より見やすいのでは?
また今回の録音は、ホールで演奏しているような美しい残響ですが…編集によるものでしょうか?
by REIKO (2019-10-15 10:47) 

Enrique

REIKOさんのところは台風は大丈夫だったでしょうか?

私も,この3曲気に入りました。ワルツだけが有名ですが,特につづくTropicoはお洒落な佳作だと思いますが,殆ど弾かれません。RUMBAも全く弾かれませんが,単純すぎて逆に難しいですね。ただその書法はRodorigoがアランフェスの第一楽章を作曲するのに参考にしたのではないかと睨んでいます。この曲の作曲は1932年,アランフェスは1939年です。二人はパリでポール・デュカの下で机を並べた間柄でもあったようですが。

この録音は,自宅近くに良く響く場所を見つけたのでそこで行いました。昨年のタンスマンもそこで録音しました。大がかりな録音機は運び込めないので,椅子に置いたICレコーダー一発で録っています。音は全くの生で,前後などのカット以外無編集です。ちょっと響き過ぎるのです。逆に家で録音して編集でデジタル・リバーブをつける場合でもここまではやりませんね(笑)。
by Enrique (2019-10-15 18:12) 

REIKO

>台風
お気遣いありがとうございます。 今回の台風19号、千葉県は先月の15号ほどではなかったです。
しかし台風来襲の2日ほど前から、食料品や防災用品などがスーパーやホームセンター、100円ショップなどで飛ぶように売れ、水もパンも電池も出遅れた私は、どこも空っぽの棚を見て呆然…ある意味台風以上の恐怖でした。
東日本大震災の時も、ここまで多くの商品が売り切れたことはなかったです。

>自宅近くに良く響く場所
そうだったのですか、ラッキーですね!
「響き過ぎ」とおっしゃっていますが、耳が慣れればギターには丁度よいくらいではないでしょうか。
楽器音だけでなく、(私の好きな?)キュッ!やキッ!も、粋に聴こえます。
by REIKO (2019-10-15 21:25) 

Enrique

REIKOさん,台風の規模は19号の方がずっと大きかった様ですが,気象と被害との関係は複雑ですね。復旧を祈るばかりです。
擦過音はなるべく出さない様に気はつけるのですが,夢中になると出てしまいますね。ファンの方にはちょうど良いのでしょうか(笑)。
by Enrique (2019-10-16 07:57) 

プー太の父

3曲とも聴いてみました。
普段はほとんど聴くことのないジャンルの曲ばかりですけど
最後の3曲目が一番好きです。フラメンコの雰囲気しませんか?
by プー太の父 (2019-10-20 16:09) 

Enrique

プー太の父さん,お聴きいただきありがとうございます。
3曲目は確かに掻き鳴らしの奏法じたいはフラメンコのそれです。
曲名のルンバは元はキューバのものですが,作曲者のポンセはメキシコの大家。パリで勉強中にスペイン出身のギタリストセゴビアのために作曲しています。曲の最後はフォルクローレのようです。
かなりミックスした曲ですので感じ方は様々かと思いますが,気に入っていただいてありがたいです。
by Enrique (2019-10-21 06:27) 

アヨアン・イゴカー

楽譜はEnriqueさんの手書きかと最初思いました。
どの演奏も、楽しく拝聴いたしました。
良い曲で、それぞれ曲に特徴がありますが、ルンバは昔流行った「珈琲ルンバ」を思い出しました。
by アヨアン・イゴカー (2019-10-27 11:27) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,
私もかつては手書きしていましたが,ここまで綺麗には書けません。
ポンセの自筆譜は作曲者らしからぬ?素直な綺麗さです。当人の実直な真面目さが反映しているような気がします。お聴きいただきありがとうございます。
by Enrique (2019-10-27 11:36) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。