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散歩でチョウを見て(その4) [日常]

今回は散歩時ではなく,通勤時なのですが,耕作放棄地に生えたニラの花に大量のヒョウモンチョウが来ていました。

   
  休耕地のニラに来た大量のツマグロ♂   少し近寄ってみます。
 
 
 
  寄っても逃げません。 手前のヒメアカタテハと後方のアカタテハ
 

こんなに大量のヒョウモンチョウを見るのは久々です。
通勤途上にもかかわらず,自転車をおりて撮影してしまいました。ただ悪い予感どおり,全てツマグロヒョウモンでした。それも♂のみ。20年ほど前特徴的な♀を初めて見かけて驚いたものですが,近年加速度的にその数を増やしているようです。このチョウの挙動を見ていると,他の在来のヒョウモン類よりも,何やらずうずうしいような,厚かましいような感じがします。

土地のあちらこちらに群れがおります。ここまでいると,モンシロチョウよりも駄チョウに見えてきます。
他のヒョウモンもいないかなと目を凝らしますと,1頭だけいました。明らかに文様と色の異なる,どうもミドリヒョウモンの♀のようでした。写真を撮ろうと近づいたところで,嫌な光景を見てしまいました。それまで一緒に吸蜜していたツマグロ♂がミドリさん♀を激しく威嚇して,追い出してしまったのでした。

呆然としてしまいました。
素人目には似た蝶でも種類が違う訳です。結婚対象にはなりません。ツマグロの♂には,フェロモンなどでそのことがはっきりとわかったのでしょうか。100坪ほどのエリアにぱっと見,数10頭いるツマグロ軍団ですが,なぜか♀は1頭も見かけませんでした。たまたま♂ばかりが大量発生してしまったのか良くわかりません。

近年南方系の蝶であったツマグロが大量発生しているのですから,温暖化の影響と見て良いでしょう。
なぜか今回一頭も見かけませんでしたが,ツマグロ♀の特徴的な前翅の文様は南方系の蝶でカバマダラ,もしくはスジグロカバマダラを擬態していると言われます。蛾でも蜂を擬態しているものがいるように,虎の威ならぬカバマダラの威を着ているわけです。もっとも黄と黒のシマシマは踏切にまで使われていますから,人間まで利用している危険信号のようです。ツマグロ♀の褄黒文様は,飛んでいると黒の部分よりも白い部分がやたら目立ちます。目立せて危険を知らせる戦略は,危険を持つ者もそれに擬態して利用する者にもまったく共通のようです。

なにやら人間社会も昆虫界と大差ないような気がします。

一方,別の畑のニラ花ではツマグロでない蝶を見かけて少し安堵しました。アカタテハとヒメアカタテハです。両者名前も似ていて似た蝶とされますが,これで見間違える人はいないと思いますが,興味のない人には一緒に見えるかもしれません。私にはTVに出る歌手グループの個々の人の区別が付きません。
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REIKO

オレンジ色の蝶がこんなにたくさん一箇所にいたら、名前を知らない昆虫素人でもつい見入ってしまいますね。
でも多すぎると「駄チョウ」…!?(爆)
確かに、出会うと嬉しいアゲハチョウでも、たくさん飛んでいたら有り難さも半減かもしれません。

で、チョウって「頭」で数えるの?と思って調べたら、学術的にはそれが正しいのだそうですね。
私はてっきり「羽」だと思っていました。
イモムシの幼虫は「匹」だけど、羽化したら「羽」になるのだとばかり(笑)。
by REIKO (2019-09-14 13:38) 

Enrique

REIKOさん,沢山いると駄チョウになりますね。
20年ほど前,初めて見たときは(特に♀は特徴的な文様なので)驚いたものですが,その後良く見かけるようになり今では駄チョウになり下がりました。温暖化と関係していそうなので余計にイメージダウンです。
アゲハの特定の種類とか夏場には場所によっては群れていたりするのは気にならないですし,色んな種類が沢山いるのはうれしいですが,同一種ばかりで,しかも元からいた種類を押しのけているのはどうもいただけません。いわば多様な野鳥を追い出してスズメやカラスばかりになっているイメージです。
by Enrique (2019-09-17 06:01) 

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